観光立国を目指す日本をチェック!⑪/11

前回から引き続き、政府が「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」にて平成28年3月30日に決定した観光ビジョンについて、目についた項目、気になった項目についてチェックしています。なお、ピックアップする項目は順不同です。最後に今回の一連の記事のまとめを行います。

〇休暇改革
国内観光を活性化させるという意味で、家族が休暇を取りやすい制度の導入、休暇の分散化等を含む休暇改革を行うとしています。これまでの改革項目とは少し異なり、外国人観光客を呼ぶというよりは、日本人の国内観光者を増やすという目的です。外国人観光客を多く呼ぶということについて、それが実現してしまえば、日本人の国内観光者を増やすというのは一概にも良いということは言えない気もします。混雑してしまいますから。ただし、国内の休暇の分散化は良いように思います。また、外国人観光客の訪日が軌道に乗るまで、あるいは、観光産業を活性化してそれに備えるという意味では過渡的に日本人の国内観光者を増やすというのは大いに意味があるのではないでしょうか。全体の状況と流れを見ながら、上手にコントロールして欲しいと思います。

〇オリパラに向けたユニバーサルデザインの推進
国内外の障害者、高齢者及び子育て世代による我が国での旅行に対する潜在需要が存在するも、各地の観光地等において、ハード・ソフト両面でのバリアフリー対応が不十分であることの理由から、テーマアップされています。確かに、オリンピック・パラリンピックは、バリアフリー対応されたユニバーサルデザインを推進するのは絶好の機会です。このようなイベントは、内外からのプレッシャーもかかるため、アクションを推進する絶好のエンジンになります。障害者、高齢者及び子育て世代も観光のニーズは多く有るはずですから、ビジネスのすそ野が広がるでしょう。これからの高齢化日本社会にも合っていると思います。

以上、11回に渡って、政府が策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」を項目ごとに確認してきました。本ビジョンは約2年半前に策定されたものであり(本記事作成:平成30年8月)であり、現時点では既に実現されていることもたくさんあります。この間、内閣は安定していました。内閣が安定していることには良い面悪い面の両方がありますが、本政策のように長く取り組んでいくべきものについては良い影響を与えます。実際、目に見えて変わっているものも多く有りますし、外国人観光客も多く見受けることができますので、政府の予想と効果は一定以上当たっているのだと思います。

観光産業は、日本の自動車輸出産業に匹敵する規模があると言われています。現在の世界では、主要国の経済的な覇権争いも激しく、貿易についても関税が大きく変わったりと不透明な部分が多く有ります。日本はこれまで工業製品の輸出で多くの外貨を得てきましたが、その代表例である自動車輸出産業に匹敵する観光産業は大きな魅力あるものです。期待していきましょう。

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