ビジネスを行っていると色々な表彰場面に出会うことがあります。特に、大企業で行われる表彰式は、華やかなものです。今回は、このビジネス表彰の意味について書きます。ビジネス表彰には、社内に対して行うものと社外に対して行うものがあります。
社内のビジネス表彰の目的は、主に社員のモチベーションの向上にあります。社員のモチベーション向上は、根本的には給与により行われますが、日本企業の成果主義では限界があることと、評価が公開されないことなどにより、モチベーションの向上には一定の限界があります。そこで、モチベーション向上の補完的手段としてビジネス表彰を利用できます。
社内ビジネス表彰の代表は、「業務上の成果」です。売り上げや利益など、特別な成績を納めた場合に表彰をします。あるレベルの金額を支給することにより、給与では補いきれない報酬で報いることができます。また、「長期勤続表彰」というものもあります。長期で同じところに勤めることについては、メリット・デメリットが色々とありますが、長きに渡りその企業に貢献するという功績はやはり大きいものがあるでしょう。あと、「特別表彰」ということで、例えばスポーツで一定の成績を納めたり、町内清掃のような社会活動を行ったり、オフィスの生活環境を改善したりと、本来の業務以外のものについて特別に表彰することもあります。これは、本来業務以外でも会社や社会に貢献した場合に特別に表彰するもので、給与ではなかなか評価しにくいものを評価することができます。
このような表彰は、個人で行われる場合もあれば、グループで表彰されることもあります。ビジネスが複雑化した現在、個人だけで業務上の成果を上げるのは難しいので、グループで表彰されることが多くなっています。表彰は、個人の過去の成果に報いるだけではなく今後も成果をあげてもらうことを期待していますから、そういった意味でグループで表彰した方が今後もそのグループでの成果を期待することができます。
また、ビジネス表彰には社内以外に社外に対して行うこともあります。社外の方を表彰ということは、公平な選考、一定レベル以上の賞品の準備、そして式典の催しなど、とても手間がかかりますが、逆に社外の方から表彰される機会というのはあまりありませんから、受賞した方の喜びはまた格別なものがあります。特に、大企業からの表彰は、冒頭にも書きましたように華やかなものが多いですから、モチベーションはかなり上がります。また、社外の方の個人の表彰に限らず、会社そのものを表彰することにより、「表彰した会社」と「表彰された会社」ということで、会社対会社で今後の取引が円滑に進むことも期待できます。
このように、ビジネス表彰はモチベーションを上げるために役立つので、上手に活用されるべきであると思います。一方、表彰の理由はよく考えるべきことでもあります。特に社外の方を表彰する場合は、注意が必要です。例えば、新技術について表彰する場合に、その技術が広く公知になっているのであれば問題ありませんが、会社によってはあまりオープンにされたくない場合もあります。また、仕入れ価格の低減を行ったなどの場合も、営業担当が責任者から「もっと高く売れたんじゃない?」と思われることもあり微妙です。ですから、相手の立場に立って、何に対して表彰するかを考えていきましょう。