ひと昔前まで、東京~博多間の新幹線と言えば「のぞみ」でした。ところが、その中でも新大阪~博多間については、九州新幹線鹿児島ルート全線開通に伴って運行を開始した「みずほ」が登場し、様相が変わってきました。新大阪~博多間は、どちらも料金が同じですが、車両編成や設備が変わります。「のぞみ」が16両編成で明るい白地にブルーのラインの塗装であるのに対して、「みずほ」は8両編成で少し青みがかかった白色をしており、車両の長さや塗装の目立ち度からすると「みずほ」は少し劣っているように見えてしまいます。ところが、実際に乗ってみると、なかなか良い感じなのです。
「みずほ」が良い点は、乗る時からスタートします。「のぞみ」は16両編成であり、8~10号車がグリーン車になっています。新幹線のホームは、大抵が中央にエスカレーターや階段がありますから、普通車や自由席に乗ろうとすると場合によってはホーム上遠くまで歩かされることがあります。一方、「みずほ」は8両編成でホーム中央付近にとまり、グリーン車も0.5車両分しかありませんから、普通車や自由席がエスカレーターや階段にかなり近くなります。これは、荷物が多い時などは特に助かります。
また、内装の雰囲気も違います。「のぞみ」の普通車のシートは明るいプルーですが、「みずほ」は木目調/ブラウンがベースなので落ち着いています。そして、特筆すべきは、「のぞみ」普通車の座席が一列あたり3+2=5席に対して、「みずほ」普通車の座席が一列あたり2+2=4席であることです。当然隣の席との間に余裕があり、肘掛も太いので、隣の席の人と肘がぶつかり合うことがほとんどありません。パソコンをしたり、新聞を読んだりする場合も、気兼ねなく行えます。
このあたりは、「みずほ」が、航空機対策(飛行機をライバルとして負けない)を目指しているという性質から、ビジネスマンを意識しているためだと思われます。サラリーマン/会社員向けの新幹線と言えるかもしれません。
また、8両編成にもかかわらず、比較的空いていることが多いと思います。これは、京都や名古屋~博多を往復するビジネスマンは、必然的に「のぞみ」を利用することが多いからではないでしょうか。特に、自由席が空いていることが多いのは嬉しいです。例えば、岡山から新大阪に向かう時、「のぞみ」は自由席が既に埋まっている場合が多いですが、「みずほ」では座れることが多いです。逆に、新大阪から博多方面に向かう時も、新大阪が始発になりますから、座れる可能性が高いです。
というわけで、新大阪~博多間を新幹線を使われる予定がある方は、よろしければ一度「みずほ」を試してみてください。