お灸といえば、火で燃やすものですが、せんねん灸には「火を使わないお灸」と銘打った「せんねん灸 太陽」という製品があります。今回は、この「太陽」をレポートします。
「太陽」は500円玉より少し大きいサイズの円柱上の温灸器です。発熱材、もぐさシート、和紙、シール、という構造です。外装シールより取り出し、上部と底部のシールを剥がしてツボに貼ります。皮膚面温度40℃~50℃が3時間程度続きます。イメージとしては、使い捨てカイロを小さくしたものに、もぐさがついているといったところでしょうか。火を使うお灸のように温度は高くないのですが、温熱効果が長く続くので、じんわりとゆっくりツボを刺激してくれる感じになります。
「太陽」の良いところは、火を使わないので自分一人で手の届く所にはどこでも貼れること、カイロのように大きくなく軽いので、どんな場所でも貼りやすく剥がれにくいことです。また、「太陽」をつけたまま洋服を着て動いても全く違和感ありませんので、貼ったまま外出することも可能です。
「太陽」を貼るのに適している場所は、まずは、首、肩です。首や肩は、自分の目からは直接貼る場所は見えませんから、火を使うお灸は少し躊躇してしまいます。ですが、太陽は高温での火傷をすることはありませんから、鏡を見たり、片方の手でツボを確認しながら他方の手で「太陽」を貼ることができます。
次に良いのが、お腹です。お腹のツボは、私個人としてはゆっくり温めた方が良いように思いますので、通常のお灸より「太陽」でゆっくり温めることが多いです。通常のカイロだと温まる面積が広くてかゆくなったり、歩いていると重く感じたりするのですが、「太陽」では、そういうことが少ないです。また、腰に貼るのも良いですね。ここも、直接貼るところを見ることが出来ないのですし、長くゆっくり温めたいですからね。
では、「せんねん灸 太陽」を貼るのに良いツボを幾つか紹介します。
①大椎:首の後ろにある大きな骨の突起の下のところです。身体を温めることが出来、冷えや肩こり対策に加え、風邪にも効果があるとされています。また、鼻水にも効くとも言われています。他にもいろいろと聞くみたいでして、私は習慣のように貼っています。
②チュウカン:おへそから指5~5本真上のあるツボです。胃腸のトラブルに良く効くとされています。五臓六腑に関連するらしいので、ここも症状が無くてもとりあえず刺激したくなります。
③関元:おへそから指4本下がったところにあります。元気の玄関と言われ、元気が湧き出てくるそうです。元気が無い時に試してみてください。
火を使わないお灸「せんねん灸 太陽」ですが、いまや一般に普及した使い捨てカイロに比べると少しコストパフォーマンスは落ちてしまいます。しかし、さっとツボに貼れて、気にせずに軽く日常活動ができる便利さというのは優秀です。よろしければ、一度お試しください。火を使うお灸と併用すれば、一人でもかなり多くのツボを有効に温熱治療することができます。