大学を卒業して就職して60歳まで働くとすると、大体38年間働くことになります。また、人口構造の変化や年金制度の変更などにより、今後は更に高齢まで働かなければならない可能性が高くなってきます。
会社員を長く続けると、1つの職種を長く続けていくのか複数の職種を経験するのか、つまり、スペシャリストかゼネラリストのどちらの道を行くのかを20代で選択する機会がある/せざるを得ない場合が出てきます。なお、ここで言う職種とは、営業、技術、製造、人事、法務、経理、購買、などです。
例えば、社内で新しいプロジェクトの募集がある、今の組織から別の組織に誰かが行かないといけない、あるいは他の会社から転職の声がかかったなどに、自分で新しい職種を選ぶことが出来る機会がある訳です。
同じ職種を長く続けると、その道のスペシャリストになることができますので、他の人よりも専門性が上がります。その職種に関することでは、あなたの思いの通りに仕事ができる可能性が高くなります。一方、他の職種についての経験が積みにくくなるため、専門外の分野には意見をしにくくなります。また、その職種が会社で必要無くなったり、業界そのものがその職種を必要としなくなれば、会社を変わったり業界を変える必要性も出てきます。
逆に職種を定期的に変えていく場合は、色々なことに見識があるゼネラリストになることができますので、多種多様な問題や課題を理解することが早くなり、関係部門を集めて色々な経営課題に対応することができます。ただし、多くの関係部門をまとめようと思っても、専門知識があまり深くないために、それぞれのベストパフォーマンスを追求することは難しくなります。
では、会社員として選ぶべき道は何なのでしょうか?
ビジネスをする上で大切なことは、決めたことはとことん追求出来ること。一方、歳を取って経営者に近づいていくと、あらゆることに対応する幅広い知識が必要です。そうなると、先ずは1つの職種で10年~20年頑張って、その分野では社内や業界では第1人者かそれに準ずる人物になることが必要です。仕事というのは、ここまで出来れば1人前というところに行くまでは、ある程度経験をして色々な課題を解決して社会人としても成長する必要があります。そこまで行かずに職種を変えると、また1から出直しになります。
一方、いったん仕事を一定レベルまで極めると、他の職種についても極めるパターンというのはほぼ同じです。そうなると、他の職種については、いざ必要が生じた場合に直ぐに正しいアクションを開始して、有識者の人の意見を聞きながら解決まで持っていく程度の知識があれば良いと思います。これは、3~5年程度と思います。
結論として、スペシャリストとして10~20年は何かで職種で仕事のやり方を極め、あとはゼネラリストを目指して3~5年で職種が変わるというのが、ベストではないかと思っています。皆様のご参考になれば。