部下が会社を辞めたいと言ってきた時に考えること③

前回の記事では、会社を辞めたい部下にはその理由を教えてもらうことが大切であると書きました。そして、やりたい新しい仕事がはっきりしている場合は転職をした方が良い可能性が高く、今の会社への不満が大きい理由の場合は本当に辞めた方が良いか要注意であると書きました。

では、他にどのようなことを考慮しないといけないでしょうか。

転職というのは、本人だけではなく家族にも大きな影響を与えます。よって、会社を辞めたい部下の考えだけではなく、家族がどのように思っているかをよく把握しなければなりません。

まず、部下が自分の考えだけで転職に突っ走っている時には、逆に気持ちを冷静にさせるためにも家族にきっちりと話したり家族の気持ちを聞くようにさせましょう。そして、あなた自身が家族のつもりになって部下と接することにより、あなたの言うことによく耳を傾けるかもしれません。

逆に、部下が自分よりよりも家族の要望で転職をしたいと言ってきている場合もあります。この場合は、家族の気持ちも大事なのですが、部下自身の気持ちをよく確認することが重要です。これは、部下にとって人生の大半を過ごす会社の選択において、自分の意志が優先されていないということは、人生に悔いを残す可能性があるからです。また、自分で選んだ会社でない場合は、仕事に執念がもてなかったり、なにか問題があった時に自責にならない傾向があります。こうなると、今の会社に残ろうか新しい会社に転職しようが、どっちにしろ部下にとっても会社にとってもベストにはならない可能性が高くなります。

もちろん、家族の意志を優先するのが悪いことではありませんが、転職するというのは今後の生き方を決めることになりますから、悔いが残らないように再確認するに越したことはありません。

あと、部下のご両親の意見も確認できるならした方が良いです。部下のことを本当によく考えているのは場合によってはご両親かもしれません。就職したり結婚したりするとなかなかご両親と会話する時間もとれません。このような機会に、そのような時間をとることを勧めるのも良いと思います。

なお、あなたが部下が会話するだけではなく、あなたも会社の知見ある人やご家族のアドバイスも色々ともらうのも効果があります。部下が辞めるというのは殆んどの責任者が経験していますので、貴重な意見を貰えることが多くあります。また、あなたの家族の意見は、部下の家族によく響く可能性が高いです。

以上、色々と書きましたが、要は部下のことをあらゆる方面から考えて、部下がどのようにしたら良い人生を歩めるかを一緒に検討することが重要なのです。このことが、部下のためになり、自分の能力を高め、ひいては会社のためになるのです。また、ここで築かれた人間関係は、部下が会社に残った場合はとても強固なものになります。あなたも、部下が会社を辞めたいと言ってきた場合は、直近の細かいことだけを考えるのではなく、部下の人生を一緒に考えるようにしましょう。だって、部下はそれを考えて言ってきているのですから。

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