AI(人工知能)時代の仕事

いまのAIは、あらかじめ用意された答えやネットの情報を探し出す、あるいは一定の判断基準に基づいて判断することが得意であると先に書きました。ということは、新しい情報を用意したり、より良い判断基準を作っていくことが、当面はAIにとって変わられない仕事ということになります。

新しい情報を用意するというのは、例えば、まだネットにのっていない情報をとってくる/ネットにのせる、であったり、いままで必要とされていなかった/時間がかかったり面倒なので取らなかった情報であるけれども、実はこれも色々な判断を行うには有用であると思われるものをもってくる、ということです。ネットにのせてしまえば後はAIが処理してくれるわけですから、ネットに情報をのせるということが当面はAIに取って代わられるにくいと思われます。

次に判断基準を作るということです。もちろん、最近のAIは囲碁や将棋で名人に勝つのですから、自ら判断基準を作成していくということは一定の条件下では可能でしょう。ですが、様々な会社の様々な用途を考えた場合に、それらに対応できる汎用的なAIエンジンって、まだなかなか出て来ないのでは?と思います。ですので、このあたりは人間が教えるということが必要かと思います。

判断基準というのは、質問を受けた際に何を選べば正解なのか、あるいは正解に近づいていくのかというものです。特に後者の方が人間のサポートが必要、あるいはそれが他社への差別化になるでしょう。自社も他社も同じAIエンジンを使っていて同じ情報を使っているなら、同じ結果しか選べません。短期的な利益をとるのか長期的な利益をとるのか。PLを優先するのかBSを優先するのか。例えば、こういった判断というのは、正解はひとつかもしれませんし、正解は無くてどれが一番被害が少ないかということかもしれません。

今回述べた新しい情報を用意する/作る、判断基準を作る、という2点ですが、前者は前線実務部隊の一番価値ある仕事、後者は経営者の最も重要な仕事といえるかと思います。言い方を変えると、AIによりITがますます進化して便利になり、人間がする仕事は本当に重要な利益を直接左右するようなものだけに近づいていくようです。

いままで会社では、情報をとってくるのは営業の仕事、判断するのは経営者の仕事、というように区分けして任せていたこともあったかと思いますが、今後はそういうわけにはいかないのかもしれません。

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