電子タバコはどう進化するか

アイコス、グロー、プルームテックといった電子タバコの普及が落ち着いてきました。発売当初は、入手が困難だったり機器の操作性などで不満があったりと、ユーザーにとっては痒いところに手が届かない感じがありましたけども、現在は、それぞれの電子タバコの供給体制が充実しており、コンビニにおいていつでも入手できるようになってきています。また、機器も細かな改良が加えられ、操作性が上がってきました。電子タバコの第一世代としては、充実・成功したといえるのではないでしょうか。特に、JTのプルームテックは、発売においてはは後発であり入手が困難な時期が続きましたが、いまは簡単に手に入れることができつようになりました。また、JTのプルームテックは、電子タバコのしくみとしても、加熱温度を複数のタイプに分けてユーザ多くの好みに対応しようとするなど、日本メーカーらしいきめの細かさを出しています。

タバコには、噛みタバコ、嗅ぎタバコ、葉巻タバコ、刻みタバコ(パイプやキセル)、紙巻きタバコなどが従来より存在し、その形態が変化してきました。直近の30年くらいは、タバコといえば紙巻きタバコがほとんどでしたが、電子タバコが取って代わろうかという勢いになっています。

紙巻きタバコは、タバコの葉を燃やすわけですが、その結果としてニコチンとタールが発生し、それを吸い込むことになります。どちらも有害ですが、ニコチンが脳に快感を与えるように働きます。タールは葉を燃やすことによって生じる多くの有害物質の総称であり、発がん性物質が多く含まれています。電子タバコは、このタールを発生を大幅に抑えるために、低いものは30~40℃、高いものでも350℃程度で加熱します。温度が低いほどタールの量が減りますが、俗にいう「紙タバコをすったような感覚」が少なくなって物足りなくなります。臭いも、高温のものでは周りの人が気付きますが、低温のものでは非喫煙者がほとんど気付かないほどになります。喫煙者本人の健康へのリスクがかなり減り、周りの影響も激減することから、日本では急激に普及しました。今後の主流になると予測されます。

一方、ニコチンやタールは全く含んでいないものの、香料を含んだリキッドを、上記を発して吸い込む「VAPE」と呼ばれるものも数多く発売されました。こちらも、「電子タバコ」と呼ばれることも多いのですが、厳密にいうとタバコではありません。アロマに近いといったほうが良いかもしれません。香りを楽しむことになります。

いずれにせよ、電子タバコやVAPEが急速に普及し、様々なバリエーションが生まれるようになりました。海外では、VAPEのリキッドに個人でニコチンを入れることが可能な国もあり、そうなると香料とニコチンを自由に組み合わせて自分だけの電子タバコを作ることも可能になってきます。ひょっとしたら、日本にもそういう時代が来るかもしれません。日本のタバコ文化が、今のように大手たばこメーカーの供給する電子タバコ中心になるのか、VAPEの規制が大幅に緩和されてニコチンを含んで個人でブレンドする時代がくるのか、行方を見ていきたいと思います。

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