職場において、自分にしかできない仕事を作るというのは大切なことです。職場では、仲間と力を合わせて仕事にあたるということは重要なのですが、逆の意味でいうと全員がライバルといっても過言ではありません。仕事ができる人が給料を貰い、出世をしていくのは当然です。あるいは、リストラされる事態になっても、仕事ができる人は有利です。そのような状況において、自分にしかできない仕事を持っていると、とても有利なのは当然です。
また、日常の職場においても、自分にしかできない仕事を持っている人は重宝されます。場合によっては、尊敬されたりもします。ただし、注意しないといけないのは、誰でもその仕事をするチャンスはあるのですけれども、その人しかできないというのがポイントです。例えば、その仕事自体は比較的簡単なので、情報さえあれば誰でも出来るのだけれども、その情報をある人が隠しているのでその人しかできない、というのは違います。それは、その仕事をクローズして隠しているだけです。その人が居なくなって、誰でも情報を入手することが出来るようになれば、他の人にやってもらえばよいのです。このような仕事をクローズして隠してしまう人は、得てして周りに迷惑を与えることになりますから、逆に皆から嫌われ、その職場から追い出されるようにされる可能性が高いです。
そう考えると、自分は特殊な能力を持ち合わせていないから、自分にしかできない仕事を持つということは難しいと思われるかもしれません。それは確かにその通りかもしれません。人間の中で本当の天才というのは非常に少ないので、自分にしかできない仕事というのは理論上はほぼ無いでしょう。ですが、実際の会社生活ではそういうことが起こります。これは、何故かというと、どんな仕事であっても、表面的に作業をするのは簡単なのですが、背景をよく掴みデータをいろいろ揃えて分析し色々な人と調整して困難を打開してやりきる、というレベルまで来るのは時間がかかるのです。優秀な人が時間をかければそこまで行きますが、この時代はやることが多いため、すべてのことに時間をかけることが出来ません。ですから、どうなるかというと、この人はこの件に関しては第一人者、あの人はあの件に関しては第一人者というようになります。その仕事が行き詰まったり難しい局面に来たら、第一人者しか解決できない、といったようになるのです。自分にしかできないという仕事は、そういうことを指します。
得てして、表面的な簡単な作業しかしていない人は、多くのことは出来るけど困難になったら対応できないということが多々あります。このような人は、会社にとっては欠かすことが出来ないという人ではないので、あまり重宝されません。一方、何か一つか二つでも、自分が第一人者という仕事を持っている人は重宝され、大事にされるのです。
自分にしかできない仕事=自分が第一人者という仕事を、ぜひ持つようにしましょう。周りの対応ががらりと変わりますよ。