特定の部下に仕事が偏る

上司や部下の悩みとして、「特定の部下に仕事が偏る」というのがあります。これは、大きな組織になるほど、よくある悩みだと思います。今回は、このことについて考えていきます。

特定の部下に仕事が偏る原因は複数あります。大きく分けると、上司の依頼が偏る場合と、受ける部下に差がある場合です。

上司の依頼が偏る理由にあるのは、一つが上司の依頼がそもそも特定の人が偏っている場合と、もう一つは部下に公平に依頼したとしても断られたりして結果的に偏る場合です。

まず、上司の依頼がそもそも偏っているというのは、仕事が分かっている人や頼みやすい人ばかりにお願いすることが多いです。このことを続けていると、ますます特定の人しか仕事ができない状態になってしまい、偏りが解消されるどころか悪化してしまいます。このような状態は、得てして上司の仕事の段取りが悪くて無計画な場合に起こります。上司の仕事の段取りが悪いと、あっという間に仕事の期限が来てしまうので、慣れている同じ人ばかりに頼まざるを得ないのです。また、仕事を上手に計画的に振り分けて依頼すれば、仕事が偏ることはありません。でも、行き当たりばったりで仕事を進めていると、結果的に偏る結果になります。上司は、仕事を計画的に進めるようにしなければなりません。

また、部下に公平に依頼しても断られたりする場合は、部下に舐められているのか、あるいは無計画に頼まれるので対応ができないなどがあります。つまり、上司として部下をきっちりとマネジメント出来ていないのが原因です。上司は、自分のマネジメント力を見直す必要があります。

次に受ける部下側の問題です。まず、明らかに部下に能力差があり、能力がある部下が少ないのに必要な仕事が多い場合は、これは間違いなく偏ってしまいます。この場合は、能力の無い部下を教育・育成するか、能力のある部下を組織に入れることになります。部下の教育・育成は一朝一夕では成功しませんし、能力のある部下をとってくるのも難しいことです。ここは、上司の腕の見せ所になるでしょう。

また、部下に仕事をできる能力があるけれども、断られてたり偏ったりするのは、先に述べたとおりの上司のマネジメント不足に起因します。どのように部下をコントロールするかを勉強して対応する必要があるでしょう。

以上、仕事が偏る原因というのをいくつか挙げてみました。これを見てみると、上司側に問題があることが多いというのがよくわかると思います。ところが、実態として、ほとんどの上司が、「仕事ができる部下が少ない」「誰も成長しない」といった愚痴を発して、部下のせいにすることが多いのではないでしょうか。しかし、これは誤りであると私は思っています。というのも、仕事をする部下を集めるのも、教育するのも、指示するのも、これすべて上司の義務であり権利であるのです。それを正しく行えていれば、特定の部下に仕事が偏るなんてことは無くなるでしょう。

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