パワハラ/パワーハラスメントをよく確認する③

前回に引き続き、昨今よく耳にするパワハラ/パワーハラスメントについて、その内容を確認していきます。主には、上司としての目線で考えていきます。

〇人間関係の切り離し

一人だけ部屋を別にする、宴会に参加させないなどのことを言います。部下と他の人の関係が、特別に切り離されている状態のことです。一人だけ別の部屋にするというのは本当に極端な場合であり、ここまでのことはあまりないと思います。ただ、宴会に声をかけないというのは、案外にありそうです。仲間外れにする意思が無いにしても、会社の外での宴席などでは問題がないと思いがちです。会社の外のであっても、会社のメンバーと行動したり仕事のやり取りをする場合は、公平に付き合いする、あるいは情報を開示するという配慮が必要になります。
日本ではまだあまり厳しくないようですが、欧米などでは、上司が部下にメールをしたり仕事の情報を流す場合に、差をつけると問題になるということもあるようです。法制化が進んでいる海外で勤務する場合は、具体事例も勉強しながら留意するようにしましょう。

〇遂行できない過大な要求

やったことがない仕事を単独でやらせる、一人の部下に複数人分の仕事をおしつける、一人だけに仕事を押し付けて他の人はさっさと帰ってしまうなどになります。仕事には色々なレベルの仕事があり、部下の能力も色々とあります。また、会社全体が多忙な時もあれば、部下の能力を上げるために難しい課題を与えることもあります。ですから、部下に過大な要求を全くしないというのはあり得ません。ビジネスは相手との競争でもあります。大切なことは、上司が立ち場を利用して嫌がらせをすることです。過大な要求でなければ、問題になる可能性も少ないでしょう。また、会社の都合で止むを得ず難しい仕事を担当してもらうにしても、できるところまでやってもらって責任を追及することが一切無いというのであれば、これも問題になる可能性が少ないと言えるでしょう。
ビジネス環境が激しくなっている今、仕事はますます複雑になってきますが、働き方改革やパワーハラスメントが厳しくなってきています。上司は、部下に仕事を指示するにしても、色々な配慮をしたり調整をする必要が多くなってきました。上司として部下に嫌がらせをするつもりが無かったにしても、部下がどのように感じるかによってもパワハラになったりならなかったりするでしょう。また、ビジネス分野や業界の商習慣によって、同じことであってもパワハラになったりならなかったりします。このような判断が難しいことについては、会社内で研修をしたり詳しい相談役を置くなどの措置がひつようになるかもしれません。

次回に続きます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする