前回の記事に続いて、若い社員が昭和社員に気に入ってもらい、味方になって色々助けてもらうにはどうしたら良いのか、昭和社員の特徴に注目して、その項目ごとに考えていきます。
・せっかち
昭和社員は、多くが「せっかち」です。若い社員と昭和社員で会話しているところを見ると、そのように感じることが多いです。これは、昭和社員の仕事が早くて、若い社員の仕事が遅いという訳ではありません。逆に、若い社員の方が、頭の回転も速いですしパソコンやシステムの操作が早いので、仕事の速度は早いことが多いです。ここで言う「せっかち」は、仕事のスピードでは無くて、焦っている/追いかけられている/急いでいる、といった精神的なものを言います。
この、昭和社員の「せっかち」はどこから来るのでしょうか。これも、育ってきた環境によります。昭和社員の多くが、同世代の人間が沢山居て、競争の時代を生きてきました。小学校の1学年に10クラス近くあったり、
大企業の入社式で1000人前後の大量の同期が居た、といったことを経験してきました。受験でも仕事でも常に競争の中にさらされてきました。いかにその中で上位を狙うかということで、負けないために急ぐという意識が働くことが多かったのでしょう。
また、昭和社員は、若い社員よりも多くのことを経験していますから、仕事の処理のちょっとしたスピードの違いで、ライバル企業やライバル社員に負けたという悔しい思いを多く経験しています。そのことから、類似の思いをしたくないということで、つい「せっかち」になってしまうものです。
ところで、若い社員は、少子化の影響で子供時代も会社に入ってからもライバルが比較的少ない状態を過ごしてきました。ですから、競争という概念は比較すると少ないと言えます。また、経験の浅さから、どのような場合に急ぐべきで、どのような場合は急がなくてよいというのは、分かっていないことが多く有ります。ですから、昭和社員と比較すると「せっかち」な人は少なくなっているのでしょう。
このような理由から、仕事を急ぐ/急がないで、若い社員と昭和社員で意見が異なる場合を多く見受けます。昭和社員ですと、急げと言われれば、はっきりとした理由が無くても急ぐ場合が多いのですが、若い社員はそういう訳にもいきません。きっちりとした理由と必要性がなければ、原則として急ぐ必要はありません。そんなことをするよりも、他の仕事やプライベートを優先した方が合理的だからです。もちろん、若い社員がやる気が無いという訳ではありません。合理的な理由があれば、若い社員もきっちりやります。
この若い社員と昭和社員の差を、若い社員から埋めるとすればどのようにすれば良いのでしょうか。これは、急ぐ理由を昭和社員に求めることになるかと思います。理由があるものは急ぐ、提示されないものは急がない、これは当然のことですし、この時代は然るべき理由開示が有って当然です。説明が無い人は、説明する能力が無いか理由が無いかのどちらかですから、本気で相手にしなくて良いでしょう。説明してくれる人についていきましょう。
次回に続きます。