前回の記事に続いて、若い社員が昭和社員に気に入ってもらい、味方になって色々助けてもらうにはどうしたら良いのか、昭和社員の特徴に注目して、その項目ごとに考えていきます。
・直接コミュニケーションにこだわる
昭和社員というのは、直接の会話を重要視します。メールやチャットだけではなく、時として電話での会話も良しとせずに直接会話することにこだわることが多いです。このように直接コミニュケーションにこだわるのはなぜでしょうか。若い社員ですと、幼いころから友人とメールやチャットでコミニュケーションをとっており、ある意味で直接の会話よりもそちらの方が多いかもしれません。ですから、若い社員にとってみれば、直接コミニュケーションしたがる昭和社員の考えが理解できないことも多いでしょう。
この理由としては、昭和社員がメールやチャットを得意でないということももちろん挙げられますが、それ以外に大きな理由として、ビジネス上で直接コミニュケーションすることによって得られる可能性が高い大事なものがあるからでしょう。それは、説得と関連情報入手が大きなものであると思います。
説得と言うのは、相手の考えを変えてこちら側に持ってくることを言います。メールやチャットですと、単純なコミニュケーションはとても便利ですが、相手と会話しながら駆け引きを行って説得するということはかなり至難の技になります。もちろん、グローバルでメールやチャットでビジネスを行っており、それによって説得などをすることもされることも慣れている人ならば良いのかもしれませんが、なかなかそういうレベルの方は少ないでしょう。こうなると、直接コミニュケーションを行わざるを得ないということになります。
もうひとつの、関連情報入手です。メールやチャットで会話する場合は、互いが主に一つの点について会話することになります。相手のテキストを含む過去の履歴を見ながら、キーボードをたたいて自分の考えを入力する訳ですから、前後の脈絡を把握してやり取りをできることが、その要因です。ですから、話題がそれるということは比較的少なくなります。ところが、直接コミニュケーションをしている時は、たまに話題をそらすというのも可能です。逆に同じことばかり会話していると疲れたり飽きたりしますから、そうすることのほうが望ましいと考えます。このことによって、色々な関連情報を交換することが可能になるのです。この関連情報と言うのは、単発の取引や仕事をする相手とはあまり意味がないのですが、今後も長く取引したり一緒に仕事をする相手ですと、後々役に立つことが良くあります。その時は役に立たない情報であっても、後々、それが重要な情報に変わることがあります。これは、ビジネスを長くやっていると、そういう場面に出会って助けられることがあるので、身に染みて分かっています。
このような理由から、昭和社員は直接コミニュケーションを好む傾向にあります。ですから、若手社員は、昭和社員からメールやチャットではなくて直接コミニュケーションを求められたり指示された場合は、このような裏の理由があるかどうかをよく考えてから、どのように対応するかを考えましょう。
次回に続きます。