若い社員が昭和社員を使いこなす方法⑥

前回の記事に続いて、若い社員が昭和社員に気に入ってもらい、味方になって色々助けてもらうにはどうしたら良いのか、昭和社員の特徴に注目して、その項目ごとに考えていきます。

・会社の為に尽くすべきと考える

昭和社員は、社員は会社の為に尽くすべきと考えている人は比較的多いと思います。昔の日本は終身雇用と言われ、一度就職すると、定年になるまで会社が面倒を見てくれました。最近は、大企業でもあっという間に倒産してしまいますし、経営が厳しくなればリストラと称して社員に辞めてもらうことも多く有ります。ですので、以前のように終身雇用が保証されることは無くなってきました。ですが、企業がそれなりに業績を残しているのであれば、今の時代であってもアメリカのようなドラスティックな解雇などが行われることも少ないでしょう。そういったことから、昭和社員は会社をある意味家族のように捉えて、会社に尽くすのも当然と考える社員も多いと思います。
一方、若い社員は違った捉え方をしているように思います。昭和社員の頃の日本の会社は、繊維メーカー、電気メーカー、自動車メーカーなど、世界を席巻したメーカーが数多くありました。しかし、最近の若い社員から見ると、世界の企業を代表するGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に日本の企業は全く入っていません。更に、各日本メーカーの得意だった繊維、電気、自動車なども、海外メーカーにおされています。そうなると、若い社員の憧れは海外企業になりがちです。日本の大企業がいくつも倒産するところも、見てきました。また、会社よりも、個人を尊重するような教育もされてきました。このような観点から、若い社員に会社に尽くす思いは少ないと思います。
このような状況の中、若い社員が昭和社員から会社に尽くせと言われたら、どのように考えれば良いのでしょうか。
「会社の為に尽くす」ということは、ある意味、個人が会社の為にどれだけ自己を犠牲に出来るか、ということに言い換えることが出来ると思います。つまりは、ワークライフバランスということです。ベストなワークライフバランスの定義は非常に難しいのですが、例えば、昭和のモーレツ社員のように、家族を全く顧みることなく、家族が困っている時でも家にも帰らずに仕事をする、あるいは強要するというのは、今の時代では無いでしょう。こういう昭和社員が居たとすれば、そのような人や会社は長続きしないので、言うことを聞く必要は無いと思います。一方、とにかく自分のプライベートを優先して定時になれば帰る、という若い社員が居たとすれば、それは考え直した方が良いでしょう。ビジネスとは、そんなに甘いものではありません、時として、プライベートを犠牲にしてでも取引を成功に導かねばならない時もあるのです。
こう考えると、プライベートを優先しつつもビジネスで必要な時は会社の為に頑張る、あるいは、会社の為に普段は頑張るけれどもプライベートで重要なことがあればそれを優先するなど、うまくバランスがとれたスタンスをきっちりと確立して示すことが重要だと思います。

次回に続きます。

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