前回に続き、主に企業におけるNo.2について、求められることを書いていきます。今の組織長にとっても、次の組織長にとっても参考になればと思います。
・客観的な視点を持っている
No.2として行うことは、組織長として方針を決めて指示する事でもなく、部下として言われたことを指示通りやる事でもありません。その間を司って、全体をうまく回すことです。ですから、上司の方針と指示について、その背景や設定に至ったプロセスを理解し、目指すことを正確に把握して成功に至るまでのプロセスをイメージするとともに、リスクやスタックを避ける方策を考えておく必要があります。また、組織メンバーが、組織長の指示に対して賛同しているのか反対しているのかを把握し、反対している場合に真因を探って対策を講じます。また、組織メンバーが指示通りやろうとしてもうまく行かない場合も、その真因を探って対策を講じます。もちろん、これらの対策は全て一人で出来るわけでもないでしょうから、組織長にフィードバックして一緒に対応する必要があります。
このように、組織長としてでもなく組織メンバーとしてでもなく、ある意味で第三者的に全体を俯瞰して、組織がどのように動いているかを視ることが必要です。損得勘定は無しに、客観的な視点を持つことがうまく行くポイントです。
・組織長の弱いところをサポートする
一般的に、組織長というのは、他のメンバーよりも仕事が出来るので組織長を任されていることが多いです。時によって、メンバーの仕事のサポートも必要ですし、メンバーからも認められることも大切だからです。ただ、このようなことは、組織が係や課といった小さい時にはよく設定されますが、部やセンターや本部になってくると、なかなかそういう訳には行きません。
組織が大きくなってくると、実務能力よりも経営力やマネジメント能力が重要になってきます。従って、必ずしも部下よりも実務を良く知っている者が組織長になるとか限りません。また、組織が大きくなってくると様々な仕事をする部署が含まれますので、それらのすべてを経験しておくというのは事実上難しくなります。特に、昨今は、システムが頻繁に新しくなるので、現実的には不可能でしょう。
こうなると、どうしても組織長には弱いところが出来てしまいます。実務的な点でも専門的な面でも、表れてきます。これは、対外的にビジネス上の弱みににもなりますし、対内的にも組織運営に甘さを作ることになります。ですから、このような組織長の弱いところをサポートすることも、No.2の重要なミッションになります。組織長の弱いところを認識し、特に経営的なリスクの高いものから手を打っていく、そういう考え方が必要になります。
次回に続きます