前回に続き、インターネットによって変わった仕事環境を項目ごとに考えて、どのように仕事を良い方向に持っていくかを考えていきます。
・情報共有で多くの人が仕事に絡む
前の項目で、メールによって、多くの人に仕事の依頼が行われることを書きました。これは、関係者にもれなく情報が行くという意味では良いのですが、逆に言うと、一つの仕事に多くの人が絡むことになります。そうなると、一つの仕事を進めるのに関係者の利害関係が多く入り込んでくるので、複雑になったり時間がかかったりする傾向にあります。
もちろん、必要な人を巻き込んで必要なアドバイスを求めることは大切です。しかし、さほど必要でない人(今回はその職能の考えがあまり必要ではない場合)を巻き込んでしまうと、その人の意見も検討に入れないといけませんので、仕事に時間がかかってしまうわけです。
ビジネスは、レベルとスピードの兼ね合いです。いくら仕事のレベルが高くても、時間が不必要にかかれば成功しません。ですから、情報共有は、ビジネスの成功に必要な人と行うのが原則です。情報発信者は、その見極めを行いましょう。
・取引先の情報が分かる
ビジネスでは、多くの取引先が存在するのが通常です。材料や商品を仕入れる取引先もあれば、商品やサービスを販売する取引先もあります。従来は、ネットが無い環境の中で、足で稼いで信頼が得られる企業のみと取引を行うというのが通例でした。ところが、ネット環境が整うことで、取引を行う企業がグローバルで幅広くなってきました。
まず、足で稼がなくても情報が得られるため、世界中の取引先が候補になります。そして、グローバルの出張がお手軽になったために候補となった取引先と会ってみることも容易になりましたし、テレビ会議・ビデオ通話でコミニュケーションをとることも可能になりました。これが、取引を行う企業が、これまでと違って幅広くなった理由です。
ところが、取引先の情報は、一般的にネットで得られる情報だけでは不十分なこともあります。その企業の本当の経営状況はどうなのか、1年後5年後のビジネスの見込みはどうなっているのか、次の経営者は育っているのか、経営者の交代はいつ頃なのかなど。こういった情報は、取引が少なかったり代替えの取引先があるならばあまり必要ないかもしれませんが、取引量が多くなって自社の経営に大きな影響を与えるようになってくれば必要になってきます。その取引先の状況をよくモニターして、取引を増やすのか、取引量を継続するのか、取引を縮小するのか、取引を止めるのかの判断をしていきましょう。そのためにも、一般情報以外にも有料情報や裏情報なども目を通して、情報量を増やしましょう。
次回に続きます。