前回に続き、インターネットビジネスのしくみとその成功要因を、我々にとって身近な一般消費世界の変化について書いていきます。今回から、これまでの世界と消費するものは変わっていないけれどもその環境がかわったものについて、考えていきます。
・ショッピングの利便性
インターネットによって、ショッピングは劇的に便利になりました。スマートフォンで商品を選び、クリックするだけで、すぐに手元に商品が届くようになったのです。これまでのショッピングといえば、店頭に赴き、欲しい商品があるかどうかを探し、そして見つけたものを購入して自宅まで持ち運ばねばなりませんでした。それを考えると、劇的に便利になっています。
ショッピングがここまで便利になったのは、大きく分けてインターネット内における改革とインターネット外の改革の2つがあります。
インターネット内の改革といえば、カード番号と住所を入れることによって、注文・支払いが完了してしまう便利なしくみができたことでしょう。そして、それが便利なだけではなく、安心して注文・支払いが可能なしくみが出来た事も成功して普及するポイントであったと思います。新たに登場したアマゾンや楽天市場といった大きな企業が、取引/仲介取引が安全であることの実績を積み上げて成長したことにより、しくみの安全性を証明してきました。
インターネット外の改革は、物流といえます。これまで、消費者が店舗に商品を買いに来たのが、店舗側が消費者に商品を届ける必要が出てきたからです。そのためには、大量の商品を保管する事、大量の商品を輸送する事といった、物流業界の発展があります。大量の商品を保管するための倉庫を、自動化によって早く効率的に安価に運営するようになってきました。一方、輸送についても大手宅配業者によって、効率化が進められてきています。
最近の輸送の問題点は、メディアでも報道されているように、輸送の最後、つまりは個人への配達がボトルネックとなっているようです。個人のお客様の対応を変えるというのは、企業としてはなかなか難しいものです。ですが、マンションに宅配ボックスが設置されたり、主要駅にも宅配ボックスが設置されたり、コンビニで受け取れるようになったりと、現在も色々な工夫が行われてきています。最後の個人への配達問題も、解決されていくと感じています。また、ドローンの実用化によっても、配達員の負担を減らすことが可能になって、輸送の問題を減らせるようにもなるでしょう。
なお、最近は、更に便利になっており、例えば、家庭に設置されたスピーカーに話しかけるだけで、注文が完了することも出来るようになってきました。あたかも、家族に口頭で買い物を頼むような感覚です。これからも、色々な技術やしくみで便利になっていくことでしょう。
次回に続きます。