前回に続き、インターネットビジネスのしくみとその成功要因を、我々にとって身近な一般消費世界の変化について書いていきます。今回も、これまでの消費世界とは異なった、新しく消費するもの自体が変わったものについて考えます。
・コミニュケーション
インターネットが登場するまでの、物理的に場所が離れたところに居る人とのコミニュケーション手段は、手紙や電話が中心でした。手紙はリアルタイムのコミニュケーションを取ることができませんでしたし、電話は自分と相手の都合が合った時だけに成立するコミニュケーションでした。かなり限定されたコミニュケーションです。
ところが、まず、インターネットと電子メールの登場で大きく変わりました。遠隔地であっても、数秒でメッセージを送ることが出来るようになりました。しかも、それは自分のパソコンや携帯電話に保存されるために、相手との時間を合わせる必要が無くなったのです。つまり、ほぼリアルタイムにコミニュケーションをとることも可能ですし、逆に自分が都合の良い時に見ることもできるようになりました。更には、そのための専用料金が必要とされないのも特徴です。
また、手紙や電話だと、住所や電話番号によって個人が特定されてしまうので、見知らぬ人や不特定多数の人とコミニュケーションするのは抵抗がありましたが、電子メールだと無料でメールアドレスをとれるサービスもあり、見知らぬ人や不特定多数の人とも安心してコミニュケーションを取ることが可能になりました。更には、電子メールのアドレスを公開しなくても、見知らぬ人と匿名でコミニュケーションできるサービスも登場してきました。
このように、従来には無かった、世界中の見知らぬ人とであっても時間を気にせず安心してコミニュケーションがとれる環境ができ、人々はインターネット上での自由なコミニュケーションを消費することが可能になりました。このコミニュケーションの形態は従来には無かった新しいものであり、インターネットにより新しく生まれたものです。
このインターネットのコミニュケーションが発展していったのは、もともとのインターネットの特徴によるものもあると思いますが、チャットアプリやSNSアプリなど、一般ユーザーの様々なニーズに応じようとした各アプリ会社の工夫や努力によることが多いと思います。匿名であったりなかったり、個人同士ではなくグループでのコミニュケーションができたり、一通ごとの電子メールではなく、漫画の吹き出しのように会話が繋がるような表示形式であったり、掲示板形式であったり、さまざまなものが現れ、そのなかから多くの人に支持されたものが生き残りました。新しいコミニュケーションは、このように新しく生まれて、大量に消費されるようになりました。
次回に続きます。