前回の記事で、企業には多くの取引先が存在し、そこと良好に付き合うことが大切であることを説明しました。一方、、取引先と自社では、目的や方針や利益が異なるので、付き合い方は難しくなることも説明しました。今回は。その続きです。
・今回検討する内容(取引先を動かすために)
取引先と自社では目的や方針や利益が異なりますから、取引先と自社で取引内容に合意がなかなか得らえれないのであれば、取引先を動かしてこちらの要望に答えてもらわねばなりません。要は、交渉です。今回は、この取引先を動かすための交渉において、何を検討して何を準備してどのように交渉していくかを項目ごとに考えていきます。
なお、取引先を動かすと言っても、取引先と自社の規模などによって方法が大きく異なります。そこで、今回の前提としては、取引先も自社も300人を越える大企業またはそれに準ずる企業であることを前提とし、各項目を検討していきます。
・取引先の担当窓口の特徴を知る
取引先を動かすためには、取引先のことを色々と調べる必要があります。そこで、本記事では、まずは取引先を色々と知るところから始めます。
取引先とのコンタクトですが、通常は、取引先には自社(私たち)の担当窓口が設定されています。ですから、最初はこの担当窓口とコンタクトすることになります。担当窓口は、通常は一般社員から係長、場合によっては課長が行うことが多いでしょう。彼らが意思決定をすることはあまり無いと思いますが、例えば交渉するにあたっての、準備、設定、交渉時のフォロー、交渉成立後の実務などは彼らが行ってくれます。また、彼らが自社(私たち)との話し合いをどのように上層部に上げるかで、取引先との対応も変わってきます。ですから、取引先の担当窓口の特徴を良く知っておく必要があります。
取引先の担当窓口にも、得意分野と不得意分野があります。実務作業に長けている者、社内の人脈に長けている者、専門能力にあけている者など、色々です。これらについて、得意なところは活用し、得意でないところは無理強いせずに担当窓口の上司以上とやりとりすることが得策です。例えば、実務作業に長けている取引先の担当窓口は、取引先における実務オペレーションであったり事業数値などを良く知っているでしょうから、そういったことを聞き出してこちらの作戦を練るというのには有効です。一方、実務作業に長けている窓口に、社内の人脈を使って色々な情報を得ようとしても無理かもしれません。そういう場合は、担当窓口の上司以上とやりとりした方が良い可能性が高いわけです。
このように、取引先の担当窓口は通常は万能ではありません。ですから、担当窓口の得意不得意や性格などの特徴を良く知って、得意なところをお願いして、それ以外は他の人にお願いするといった使い分けが必要になります。
次回に続きます。