日本プロ野球のフリーエージェント。いすれの球団とも選手契約を締結できる権利を持つ選手のことで、一定以上の出場選手登録日数を持った選手です。権利を行使する場合は、日本シリーズ終了の翌日から、土・日・祝日を除く7日以内にコミッショナー宛に文書で申請することになります。日本プロ野球ファンは、野球シーズンが終了した後の話題としては、主にフリーエージェントになろうかと思います。
選手が行うフリーエージェント宣言は、実績を残した選手が新たに所属球団を求めるということで、華やかなイメージがありますが、そのような恩恵を被るのは一握りの選手のようです。フリーエージェントとなれるのは一定年数経過した選手ですから、年齢的にも故障が増えてきたり、選手生命も残り少なくありません。また、新しい環境に移って、これまでと同じような成績も残せるとは限りません。それでなくても、日本プロ野球の選手を見ていると、長年にわたって安定して良い成績を残すのは難しいのが実態です。ですので、選手が移籍したいと思っても、球団側はなかなか手を出せないというのが実情でしょう。
各球団には、すでに所属している選手が居ます。フリーエージェントの選手をとるということは、すでにそのポジションで活躍している選手の居場所が失われるということですし、その球団の他の選手の年俸を下げたり契約する選手を減らすことを意味します。これはフリーエージェント宣言をした選手も分かっています。フリーエージェント宣言はする方もされる方も、移籍する本人も移籍された側の選手にとっても、大きな覚悟と影響があります。
また、フリーエージェント宣言を行ったからといって、他球団が獲得に名乗りを上げるとは限りません。フリーエージェントされた元の球団がその選手枠を使ってしまっていた場合は、フリーエージェント宣言した選手の居場所がなくなる可能性もあるわけです。それでも、フリーエージェント宣言を行うというのは、選手にそれなりの意思があるのでしょう。
憧れの球団、人気の球団、優勝できる球団で夢を叶えたい。年俸に不満がある、つまりは自分の評価に納得しておらず、評価してくれる球団に行きたい。起用方法に不満がある、例えば、先発投手をしたいのに中継ぎで起用される、あるいは、代打や代走ではなくレギュラーで出たいなど。その理由は、選手によって色々とあるようです。
いずれにせよ、日本の多くの少年が夢を追った野球というスポーツで、ほんの一握りしかなれないプロの選手となり、さらに、その中でもフリーエージェントの権利を有することになれる選手というのは、ごくわずかです。そんな選手たちが、更に自分の夢を追う姿に注目していきたいと思います。