事業部別組織と職能別組織(製品別/地域別組織と機能別組織)⑩

前回に引き続き、事業部別組織と職能別組織のメリットとデメリットを検討していきます。項目は、順不同です。

・モチベーション

会社の業績を上げるには、社員個人個人のモチベーションの高さが重要です。生産性の向上やアイディアのトライなど、個人個人の工夫の積み重ねが会社の業績を良くしていきます。もちろん、誰か一人の発明や革新的なシステムで、会社の業績が劇的に良くなることもあります。しかし、それは、ほんの一握りの事例であり、多くの会社の業績は、個人個人の工夫の積み重ねに依っています。社員の多くが自分の会社や仕事が好きではなく、単なる作業の積み重ねを繰り返し、定時になるとさっさと帰っていく会社。社員の多くが自分の会社や仕事に誇りを感じたり自己実現をしたいと思っており、日夜、仕事を効率的に進めようと色々な工夫をしたり、新しい製品やサービスの提供に邁進している会社。どちらの会社の方が会社の業績を向上させることができるかは明白です。
社員個人個人のモチベーションを上げるために、各社は色々な工夫をしています。報酬を上げる、研修を準備する、社長との懇談会を設ける、などがあります。そのような工夫もモチベーションを上げる要素になりますが、やはり社員は日常は黙々と仕事をしているわけですから、その仕事のベースである「組織」というのはモチベーションに大きく影響します。それでは、事業部別組織と職能別組織のどちらがどのようにモチベーションに影響するかを考えます。
まず、仕事のモチベーションは、社員個人がどんなことをしたいかによって影響されます。例えば、誰よりも立派な技術を確立したい研究者や、知的財産権の専門性を伸ばしたい特許技術者などの専門職を目指す者。また、経営に興味を持って組織をある方向に導きたい者や、全社のしくみを検討したいなどの一般職め目指す者。いわゆる、スペシャリストとジェネラリストではモチベーションが上がる組織は異なります。このように考えると、誰がどのような組織に向いており、モチベーションが上がりやすいかという点については、かなり明白になってきます。
スペシャリストリストは、ある特定分野を極めたいと考えていますから、職能別組織の方が向いています。自分がやりたいことができる職能組織に配属されると、モチベーションが最も上がるでしょう。一方、ジェネラリストの方が事業部別組織に配属されると、幅広く多くの業務に携わる機会が増えるため、モチベーションが向上します。このように、事業部別組織と職能別組織のどちらに向いているかというのは、その人が、ジェネラリストかスペシャリストかによって変わってくるわけです。

次回に続きます。

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