前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。
〇世の中のしくみを知ろう①
時代や場所によって、子供たちへの教育や求められることは異なります。戦争中は、国に忠誠を尽くすことを教えられ、戦後すぐは世界の他の国に追いつくことを求められ、その後は競争に勝つことを求められ、最近になると、ゆとりを持った教育をされたり、絆を大切にするように求められたりと、例えば、10~20年おきに子供たちが教育されたり求められることが大きく変わっていきます。このように考えてみると、教育というのは不変なものではなく、時代時代によって社会の都合で決まっていくものであるということがわかります。これは、正解である場合もありますし、間違っている場合もあります。
これは、政治や社会や仕事などにおいても同じです。政治は、自国の状況と他国からの影響に応じてやるべきことが変わってきます。社会も同じく、それらに応じて人々が求めることが変わってきます。仕事は、政治や社会に応じて、必要とされるものややるべきことが変わってきます。このように、政治や社会や仕事も、時代によって変わっていくものなのです。
今の私たちは、おかげさまで身近に戦争が無く、大多数の人が極端な貧困に喘ぐこともなく、一定以上の生活が出来る日本で暮らしています。これは、政治や社会の色々な努力や工夫によって実現されていると思うのですけれども、その中でも色々な変化が有ったり、また過去にそうであったように、この先が常に安定した政治や社会であるかどうかは分かりません。
このような中、世の中のしくみを知っておき、政治や社会で変化が起こればそのしくみがどのように変化し、そしてそれが自分の仕事や生活にどのように影響し、だからどのように対処すべきか、ということが大切になってきます。このためには、世の中のしくみをできるだけ多く知っておくことが重要です。
では、ここでいう世の中のしくみというのは、どういうものでしょうか。例えば、少し前に良く有ったことですが、パソコンが普及した時に、しばらくしてプリンタが普及しました。これは、パソコンを買ってもゲーム以外にやることがあまり無く、ブームに乗ってパソコンを買ったけれでも使われずに放置されていたという状態があちらこちらの家庭で起こりました。こんな時、年末になると、「年賀状を書いて投函する」という日本独特の文化があり、皆がこぞってパソコンを利用することを目的にプリンタを買って年賀状の印刷を始めたわけです。年末年始にパソコンで年賀状を書いてプリンターでプリントするということは、日本の新しい文化になりました。そして、綺麗な写真を印刷するために、プリンタはどんどん高性能になり高価になってきました。このような時代がしばらく続きました。
次回に続きます。