前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。
〇もう一度やってみよう
今回は、あまり大げさな話ではなく、普段の生活や仕事におけることです。大人になって、例えば30歳や40歳くらいになってくると、人生で経験する殆んどのことが経験済となっています。また、同じことを何度も経験するので、似たようなことは良いことも悪いことも飽きてしまって、あまり興味を示さなくなります。そうなると、普段の生活において新しい製品や文化が発生しても、あぁ、どうせあの程度だろ、と過去の経験に基づいてやる前に判断をしてしまいます。また、仕事において、新しいシステムが導入されたり新しいイベントが発生しても、あぁ、前に経験したものに似ているね、という風に思ってしまい、近づかなくなります。このような行動は、歳を重ねるほどに増えてくる方が多いと思います。
ところが、似たようなこと、あるいは一度経験したことであっても、たまには、あるいは一定以上期間が空いてしまっているのであれば、また、やってみることをおススメします。というのも、例え同じ生活の出来事や同じ仕事の内容であっても、年齢が違えば自分自身も変化していますから、以前は出来なかったことも出来るかもしれないし、以前は気づかなかったことにも気づくかもしれないし、あるいは、同じことであっても時代によって変わっていっていることもあります。例えば野球観戦を例にとりましょう。以前はなかなか取れなかったチケットも、今は無料ファンクラブに入るだけで意外に良い席が安く手に入ったりします。また、以前は試合開始時間に合わせて観戦に行っていたけれども、今は2時間前に行くことによって、選手の練習風景を見たり、場合によってはサインをもらうこともできるといった発見があります。以前は野球のスコアボードでは選手名やスコアやカウントを確認するだけだったけれども、今は大型ビジョンでコマーシャルが流れたり試合を盛り上げる映像が流れたりして、観客を楽しむ工夫が沢山なされています。このように、以前は経験していたことも、しばらくすると、また新しいものになることが多く有ります。
これは、仕事でも同様のことが言えます。新入社員の頃に行っていた作業など、いまは全くやらないでしょうけど、実際にやってみると、全てパソコンで処理されており、多くの作業が一瞬で終わるけれでも中身の処理がどうなっているかよくわからないということが起きています。また、メインの作業はパソコンでソフトが自動でやっているけれども、データの受け渡しやデータの加工処理などの周辺作業を意外に人間がやっていて、ただのデータ加工だけが得意な社員が増えているなどといったことも起こっています。このようなことは、会社にとっては重要な問題なのですが、責任者や管理者の人が自ら昔の作業をもう一度やってみないとわからないものです。
生活や仕事で、随分前に経験したけども最近はやっていないこと、こういうのをもう一度見直してやってみましょう。
次回に続きます。