前回の続きです。リターンライダーを目指す方のために、項目ごとにバイクに関して何が変わっているかを記載していきます。
〇新車種類数の激減
前回の「2ストロークバイクの消滅」でも記載しましたが、バイクの排出ガス規制は段階的に厳しくなっています。そのため、残った4ストロークバイクも、段階的にその対応をしていくことになります。バイクの市場はそれほど大きいものではありませんから、メーカーも以前のように多くの工数をかけることもできず、その結果、新車の種類は1980年代に比べて大きく減っています。例えば、新車で変える400cc以下のオフロードバイクだと、国産車でいうと2022年12月現在では2車種しかありません。従って、選択肢は必然的に少なくなります。
〇新型コロナウィルス拡大による新車台数の激減
2020年から新型コロナウィルスが世界で拡大感染し、世の中の産業は大きく変化しました。その結果、バイクの部品が部分的に調達出来なくなったり、輸出入用のコンテナが不足したり、工場が閉鎖したり、ということが発生し、新車を手に入れることが難しくなりました。例えば、国産バイクですと、3ヶ月や半年は待たされるのは当たり前で、車種によってはメーカーが受注を受けないものもあります。カタログに載っていても買えない、ということが多くあります。ネット情報を探したりバイク屋をまわってほしいバイクを手に入れる、新車の発売時期を調査していち早く予約を入れるなど、欲しいバイクを手に入れるには工夫が必要な時代になっています。
〇人気のスーパーカブ
ホンダのスーパーカブといえば、1980年代は完全なビジネス用バイクであり、出前や配達にもっぱら使われるもので、若者が乗るということは先ずは考えられませんでした。ところが、車種激減や新車激減により、趣味のバイクとしてもスーパーカブが脚光を浴びる時代になっています。アニメでも、高校生の女の子がスーパーカブに乗ったりしています。そんななか、メーカーも軽いオフロードを走れる派生モデルを出すなどをしています。
スーパーカブは、世界中で広く販売されているバイクですから、メーカーが販売中止をしにくいモデルと考えられます。また、完全に新し車種を出すよりも、スーパーカブの派生モデルを出したほうがメーカーの負担も少ないと思われます。また、派生モデルではなくても、スーパーカブで採用されているエンジンと同じエンジンを採用した機種は比較的多く見受けることが出来ます。
このような傾向は、他のメーカーでも見て取ることが出来ます。グローバルで売れているモデルをベースに得意分野を伸ばし、不得意分野は減らすといった傾向が見えます。
次回に続きます。