関西で、浪速の台所と言えば黒門市場、京の台所と言えば錦市場が有名です。少し前までは、何か美味しいものが食べたいなとなったら、これらの市場(というよりは商店街ですね)をぶらぶらと歩いて、魚や漬物などを物色して歩いたものです。また、年末にもなれば、焼き鯛や河豚(フグ)などはもちろん、おせち料理に欠かせない惣菜が山のように並びますから、家庭で用意出来なかったものを調達したり、なにか数品加えるには絶好の市場でした。
ところで、このブログでも書いた日本の観光立国政策にも影響を受けているとは思うのですが、これらの市場(商店街)も外国人の旅行客さんが増えました。歩くのにも一苦労といった感じです。また、外国人の旅行客さんをターゲットにしたお土産や立ち食い食材を売るお店も増えてきました。個人的には、私は日本の観光立国政策を応援しているので、このことについての異論はありません。日本食というのは世界的にもメジャーになりつつありますし、外国人の旅行客さんを呼ぶには、黒門市場や錦市場は大きな武器になるでしょう。
一方、近場の便利な食材売り場として活用していた身としては、少し戸惑う部分もあります。今までは、全てのお店を楽しみに順番に見ていましたけど、関係が無い店も増えてきました。また、かなり混雑しているので、食材をゆっくりと探しながら歩くというのが難しくなったように思います。外国人の旅行客さんが物珍しそうに見物しながら歩くのと、今日明日の食材を探しながら歩くのでは、人混みの中の歩き方も随分違います。ですから、たまに行くと違いに疲れてしまうこともあります。
そんな中、最近たまに行くのが明石の魚の棚商店街です。明石と聞くと、なにやら遠い気もしますが、JR神戸線の新快速だと三ノ宮駅から明石駅まで15分で着いてしまいます。また、新幹線の西明石駅からだとJR在来線で明石駅まで3分ですのでアクセスは以外に便利です。魚の棚商店街は、JR明石駅から歩いて国道2号線を越えたところにあります。
魚の棚商店街の通路は広めです。京都の錦市場より広く、大阪の黒門市場よりも広いように思います。生の魚介類、加工した魚介類、そして明石焼きやたこ飯を売る店舗が多くあります。外国人の旅行客さんはほとんど見かけるとはなく、日本人の食材探しの方がほとんどです。特にお正月前の年末は賑わっています。鯛の塩焼きで有名な魚秀さんは、商店街のアーケード中央からほんの少し脇に入ったところにあります。ここは、年末はいつ行っても混雑しています。一度、JR神戸線の始発で行ったことがありますが、魚秀さんは既に大行列でした。朝の早い時間にもかかわらず、商店街アーケードも3分の1くらいのお店は開いていたように思います。
関西で、昔ながらの活気ある商店街市場の雰囲気と買い物を楽しみたいなら、明石の魚の棚商店街をオススメします。