組織長が部下を幸せにも不幸にもする③

前回の記事の続きです。サラリーマン/会社員は、組織長が部下に仕事を指示して管理する以上、組織長が部下に与える影響は大きなものがあります。そこで、組織長が部下に与える影響を項目別にみていき、注意すべきことを考えます。

〇考え方

サラリーマン/会社員は、多くは、平日昼間に仕事をし、平日夜や休日にプライベートの時間を過ごします。もちろん、様々な勤務形態がありますので、必ずしもこのパターンとはなりませんが、仕事とプライベートの時間がほぼ分かれているのが普通でしょう。
この場合、仕事は仕事、プライベートはプライベートときっちり割り切って、それぞれを大切に出来ると良い人生が送れると思うのですが、なかなかそうはいきません。仕事で一定の成果を出そうとしたり出世しようとすれば、それぞれのビジネスにあった考え方を持ち、行動せねばなりません。例えば、研究者であれば一つのことに没頭、開発者は論理的な思考、営業はお客様の思いを読む、といったようなことをする必要があります。仕事に応じたそれぞれ必要な考え方を、頭に叩きこんでいくことになります。そうしないと、ビジネスで勝つことはできません。
このビジネスで得た考え方を、ビジネスが終われば捨て去って、プライベートで元の自分に戻ることができればよいですが、なかなかそううまくは行きません。ビジネスで得たものは、自然とプライベートでも出てしまうことになります。つまり、組織長が与えた仕事や組織長が指示した考え方が、その部下の考えそのものになってしまう可能性があるわけです。そう考えると、組織長は部下そのものも変えてしまうこともあるわけで、それを自覚した判断や指示を行わねばなりません。

〇精神

前の項目で、サラリーマン/会社員は、仕事上で得た考え方が自然とプライベートでも出てしまうと書きましたが、精神状態も仕事の影響を大きく受けます。仕事がうまくいっており周りから認められていれば精神状態が良くなりますし、仕事がうまくいっていなかったり周りから叱責されていれば落ち込んだりするでしょう。このような精神状態はプライベートでも引きずることが多いですから、大変です。部下が仕事がうまくいくのかどうか、叱責されるかどうかは、組織長がどのような仕事を与え、どのように評価するかが大きく関係します。部下の精神を不安定にすると、結果的には良いことにはなりません。部下の精神状態によく配慮するようにしましょう。

〇家庭

さて、これまでいろいろな項目を書きましたが、これが最後です。組織長は、会社に居る部下を見ますが、多くの部下は家庭、家族を持っています。部下に与える影響は、そのまま家族に与えることにもなります。会社内にとどまらない影響範囲を良く考えて、部下と接するべきです。

以上、今回のシリーズを終わります。組織長であるあなたが、部下やその家族を幸せにも不幸にもすることを肝に銘じて、接しましょう。