部下の失敗の責任を取る

上司によっては、部下の失敗の責任を取らされることを嫌う人が多くいます。部下が失敗することにより、自分が怒られたり評価が下がることを気にしているわけです。そのために、少しのミスであっても部下を激しく叱責し、部下が委縮してしまったり、あるいは部下が反発してしまったりという状態になり、自部署全体が機能不全に陥っていることが少なくありません。上司として、部下の失敗の責任をとるということは、いったいどういうことなのでしょうか。今回は、それを考えてみます。

仕事には色々な失敗がつきものです。コンピューターで仕事をしているのであれば別ですが、人間が仕事をしているのであれば、当然のごとく発生します。些細なミスや止むを得ないミスに目くじら立てて怒っていれば、会社も社員もたまったものではありません。また、ミスを恐れて新しいチャレンジをしないということになってしまえば、会社として発展はしませんし存続ができません。このことを上司はよく理解して、失敗には許されるものと許されないもの、あるいは失敗を覚悟してやらせるものがあることを理解せねばなりません、そうしないと組織運営はできません。

こう考えると、許される失敗や失敗前提のチャレンジであれば、自分の上司やまわりから怒られることは基本的にはありません。ですが、注意しないといけないのは、例え許される失敗であっても、そのレベルが予想を超える範囲であったり、結果としてそれが自分の上司や周りに影響を与えるのであれば、失敗レベルを小さくしたり、事前に周りに連絡することで構えておいてもらう必要があります。ここをうまく立ち回れるかどうかで、本来は許される失敗が許されない失敗に代わってしまうことが起きてしまいます。

そのためには、部下の仕事のレベルとその進捗を事前に確認して、失敗レベルを精度よく予測することが大切です。こういう仕事の進め方をしているとこういうところでミスが起こるはず、この人と調整をしていないからあの問題については解決しないまま進んでいる、あそこを指摘したけれども直しているように思えないからこの数値はおかしいだろう、などといったように考えると失敗レベルを予測することができます。その失敗レベルが許容できる範囲であれば、そのまま失敗させて良いでしょうし、それがどうしても隣の部署の部長にとっては許されないものであるならば、早めに修正させるしかありません。また、許容できる範囲の失敗であれば、そのまま失敗させておいて、公の場で他の人から指摘してもらうというやり方もあります。指摘してもらう人に事前にお願いしておくという方法もあります。このように、失敗レベルを予想しておき、それに応じた対策を事前に立てておくというのが賢いやり化ではないでしょうか。

本当に部下に任せっきりにしてしまい、もしそれが自分や自部署の致命傷になるのであれば、最初から任せないほうが良いです。その場合は、自分で担当するようにしましょう。