セクハラ/セクシャルハラスメントをよく確認する②

前回の記事に続いて、セクハラ/セクシャルハラスメントを確認していきたいと思います。本記事では、職場におけるセクハラ、主に上司から見て注意すべきセクハラについて確認していきます。

〇会社の義務

職場でセクハラについて必要な対策を講じることは、事業主の義務になっています。男女雇用機会均等法で定められ、厚生労働省からもガイドラインやポイントが示されています。一定以上の規模の会社の多くでは、セクハラに関する色々な活動や取り決めがされているのも、これが理由によります。逆に、これから起業しようとしている方は、必要なこととして知っておく必要があります。それでは、次以降で厚生労働省が示す事業主の義務10のポイントについて確認します。

①セクハラをしてはならない旨の方針を策定して周知・啓発すること、となっています。職場でポスターなどが掲示されたりしているのもこれが理由でしょう。
②厳正に対処する方針を立てて内容を就業規則等に規定して周知・啓発すること、になっています。つまり、会社の就業規則に罰則などをいれないといけないことになっているわけです。国の法律以外に会社にもこのような規則が入っているはずであることを認識して、会社員は行動することが求められます。
③相談窓口をあらかじめ定めること、となっています。ポスターで掲示したり規則を決めただけでは、実際に問題を顕在化させたり処罰をすることが難しいということなのでしょう。セクハラに対してきっちり処理させようとする意思が感じられます。
④相談窓口担当者が、適切に広く対応することになっています。窓口担当者が名ばかりで何も活動をしないことなどがないように釘を刺していることになります。会社が設定する窓口担当者なので、会社が都合が悪いことには対応しないなんていうことが無いようにということでしょう。
⑤事実関係を迅速かつ正確に確認すること、となっています。セクハラに相当すると思われる行為があった場合に、ダラダラと胡麻化そうとせずにきっちりと事実関係を把握しろということでしょう。
⑥事実確認ができた場合は速やかに被害者に対する配慮の措置を行うこと、となっています。まずは、被害者を守ることが大切という考え方です。セクハラには様々な被害が及ぶ可能性があるので、その配慮が必要ということですね。
⑦事実確認ができた場合は行為者に対する措置を行うこと、となっています。規則などで決めたことを始めとして、しかるべき措置をとれということです。会社が自ら措置をとりなさいということですから、事業主がきっちりと対応する意思を持っていることが必要です。
⑧ 再発防止に向けた措置を講ずること、となっています。同じことが起こらないようにということなのですが、注意すべきこととして、事実が確認できなかった場合も同様にしろとなっています。セクハラというのは事実が確認できない場合もあります。特に、会社というのは捜査のプロでもありませんから、難しい事も多いでしょう。ですからこそ、事実が確認できなくても、そういったことが起こらないようにしろということです。よく考えられています。
⑨プライバシーを保護するために必要な措置を講じること、となっています。内容的にも必要な事項ですね。注意すべきは、相談者・行為者の両方に配慮せよということです。まあ、事実関係が難しい案件でもありますからね。
⑩関係者に不利益な取扱いを行ってはならない、となっています。相談者や関係した人が不利益になるようなことになれば、結局問題の多くは闇に葬られてしまう可能性がありますからね、

このように、セクハラというのは会社の中できっちりと対応するように指示されています。意図的にしないことはもちろん、意図しなくてもそうならいように気をつけなければなりません。

今回のセクハラについてのシリーズは、以上です。