前回に引き続き、これからの社会を作っていく若者を理解し、中年や高年になっても新しい社会に適合できるような準備をしていくことを目指していきます。若者に特徴があると思われる色々な項目について、ランダムに検討してきます。今回がシリーズ最後です。
〇何事にも無関心というより、逆に忙しすぎる
最近の若者は、何事にも無関心と言われることが多いのですが、色々調べたり観察してみると、そうでもないようです。情報が溢れることで興味が多くなり、やる事が沢山あるという状態が正しいようです。中高年の昔のように、やる事が少ないと、例えば会社生活に自分の力のほとんどを注ぐことになります。しかし、最近の若者のように、やる事が沢山ありすぎると、会社生活以外にも力を注ぐことが沢山あります。ですから、例えば、会社生活にかける時間は、相対的に少なくなってしまうのです。
そう考えると、例えば会社における若者に対する見方や対応の仕方も変わってくるものです。会社の仕事にあまり興味を持っていないような若者でも、実は会社以外の生活が忙しいだけで、生活における積極的な活動時間というのは、中高年以上かもしれません。そんな若者が、ある程度年齢が進んで会社の仕事に大きく興味を持つようになれば、貴重な戦力になるかもしれません。ですから、最近の若者を評価する時は、会社の若者だけではなくプライベートの生活も合わせてポテンシャルを評価し、将来、会社への貢献を上げるような施策を打っていくべきでしょう。
〇普段の生活で使っているキャラが複数ある
前の項目で、最近の若者は忙しすぎるということを書きましたが、その要因の一つとして、例えば、ネット上のアプリなどで複数のIDを使いこなすことにより、複数の人格を使っていることも挙げられます。人間、複数のことを行うのも大変ですが、複数の人格を使うことももっと大変でしょう。
複数の人格を使うということは、一つの人格で考える時間が少ないこと、そして、自分にとって好ましくない人格は、場合によっては抹殺することも可能です。つまり、一つの人格を極めるということがとても難しくなると想定されます。また、複数の人格であっても演じているのは一人ですから、複数の人格をそれぞれ混同しないように演じるとともに、全体の整合を取った状態で一人の人として成立するようにしなければなりません。つまり、常に人格の整理が必要になってくるわけです。
こう考えると、今の若者の人生についての悩みは、中高年が若いころよりも遥かに複雑といえます。若者が悩んでいる時に、知ったかぶりをして適当なコメントをしたところで、全く役にたたないことも多く有るでしょう。相談にのる時は、悩みを深く考察してから答える必要があります。
以上、「最近の若者を理解しようとしてみる」と題して、シリーズで項目ごとに考察してきました。まだまだ不十分な点もありますので、今後も色々と考えていきたいと思います。