前回に引き続き、これからの社会を作っていく若者を理解し、中年や高年になっても新しい社会に適合できるような準備をしていくことを目指していきます。若者に特徴があると思われる色々な項目について、ランダムに検討してきます。
〇空気を読んでその場に合わせる
少し前までの会社やコミュニティーでは、若者が状況をあまり把握しない中で発言し、中高年が全体の空気を読んでその場を納めるような会話や会議が多く行われてきました。ところが最近は、それが逆転している場面を多く見受けることが出来ます。中高年が自分たちの意見を主張して会議が硬直している中で、若者がその場の雰囲気を見て話しをうまく納めるような発言をするようになったのです。まさに、周りと合わそうとする若者の本領発揮です。
これは、今後に若者と付き合う上では、注意が必要です。従来であれば、強く意見を言う人を中心に会議が進行し、皆がその人に気を遣っていました。ところが、最近の若者は空気を読み、場を荒らさないようにしますから、そうなりそうなら何も言わなくなります。つまり、若者に会議で発言してもらおうと思えば、しゃべりやすい雰囲気作りが必要になります。若者の言いたいことを察知しながら、その意見が言いやすいようにしていく、そのような気配りが必要でしょう。
「そこまで?」と思うかもしれませんが、実は若者から、「えっ?そんなこともできないの?」と思われているかもしれませんよ。
〇モノを買うのに周りの意見も尊重する
中高年が何か買い物をする時、もちろん高価なものは別として、それ以外はほぼ自分の欲しいものを購入する人が多いと思います。人と違うものを持っていると、ある意味、得意になるようなところもあります。ところが、最近の若者は周りと違うことを好まないので、買い物をするにしても、周りの人が賛同するものを購入する傾向にあります。色々な人に意見を求めるのです。
これは、逆に言うと、中高年が人と違うものを持っていると、若者の仲間意識から外れる可能性があるということになります。人と違うものを持っているということが、自慢になったり羨望されるということが少なくなるかもしれません。
また、若者がこのような消費嗜好をしているのであれば、製品を供給するかの考え方も変わってきます。従来は尖った商品を発売してニッチな市場を狙うこともありましたが、今後はこのような戦略ではなかなか収支がとれないかもしれません。また、同世代の人の多くが好む製品だけではなく、複数世代の人が好む製品の方が、周りの賛同が得られるかもしれません。特徴があまり無いのか、あるいは、多くの世代で受け入れられる特徴が求められるのかもしれません。
次回に続きます。