最近の若者を理解しようとしてみる③

前回に引き続き、これからの社会を作っていく若者を理解し、中年や高年になっても新しい社会に適合できるような準備をしていくことを目指していきます。若者に特徴があると思われる色々な項目について、ランダムに検討してきます。

〇アプリやIDで人格を変える

最近の若者は、色々なアプリを使って、ネット上で色々な人格を演じています。同一のアプリであっても、IDを複数持つことで複数の人格を扱います。これは、学校、あるいは職場といった常にほぼ一つのコミュニティで生活してきた中年や高年とは大きく異なります。一つのコミュニティでの生活でしか自己実現できない世代と、複数のコミュニティで生活が可能であったりコミュニティを選択できる世代とでは、生き方が全く異なるからです。
一つのコミュニティで生活してきた中年や高年は、そのコミュニティでしか自己実現することができず、そこでの生活をよりよくしようと考えます。かなり執着することになります。これは、サラリーマン/会社員にとっては、良い面と悪い面があります。良い面は、その会社でより良くなるように努力することにより、自分が成長して会社の業績が良くなる可能性があります。悪い面は、会社で得た既得権を守て改革や進化の抵抗勢力になる可能性があります。必然的に、新しい世代への順応は難しくなることでしょう。排他的な面が出ないようにせねばなりません。
一方、複数のコミュニティで生きている若者は、一つのコミュニティにかける時間が短くなるので、短時間で出来る範囲でそのコミュニティで馴染もうとします。そうなると、執着したり無理に深く理解したり自分や他人を変えるような付き合い方は難しくなります。あまり踏み込まず、常に周りと協調しながら、無理ないコミュニケーションをとっていくことになります。これも、サラリーマン/会社員にとっては、良い面と悪い面があります。良い面は、何か一つのことを行おうとするときに、一致団結するのが早いということです。全体で同じ方向に向かうことが出来るために、総合力を発揮しやすくなります。一方、悪い面として、全体としてやっている方向が間違っていたとしても、その方向を修正することが難しくなります。また、会社として何か改革をしようとした時に、トラブルを避けて上手くいかないことが有ります。周りに合わす場合と合わさない場合をうまく使い分ける必要があるでしょう。
このように、若者と例えば職場で付き合う場合には、日常は仲良く付き合っておき、何か新しいことをしたり改革しようとする場合は、一気に全員の方向を変えないといけないでしょう。あるいは、ゆっくりと全員の意見を変えないとせねばなりません。いずれにせよ皆を同じ速度で変えることが重要です。

次回に続きます。

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