最近の若者を理解しようとしてみる②

前回に引き続き、これからの社会を作っていく若者を理解し、中年や高年になっても新しい社会に適合できるような準備をしていくことを目指していきます。若者に特徴があると思われる色々な項目について、ランダムに検討してきます。

〇個性を否定

今の若者たちは、個性的と言われることを嫌うそうです。自分が周囲と異なると思われることが良くないことだと考えているようです。中年や高年は、小さいころから放ったらかしで育てられ、それぞれのコミュニティの中で人間関係を構築していったので、それぞれの立場や役割が自然に出来ていきました。リーダー的な存在、幹部的な存在、一般的な存在、そして、場合によってはいじめられる存在などがありました。そんな中でも、それぞれの者がそれぞれのコミュニティでうまく暮らしていくために、それぞれの個性を作ったり磨いたりして、生きていきました。これは、社会に入ってからも同じです。例えば、一度就職した会社は、そこで長く続けることが良しとされてきました。その中で、自分の個性が生かせるところで存在感を出し、自分の居場所を見つけて働いてきました。
ところが、最近の若者が育った環境は違います。幼いころから、親や親族から見守られ、それぞれのコミュニティで平等に暮らすように育てられてきました。そこでは、あまり強い個性は良しとされず、皆と同じようにすることを求められました。そうしないと、自分や他人の親、そして教師などから注意をされてしまうのです。また、中年や高年の生きてきた環境と異なるのが、生きていくコミュニティが一つではないということです。子供の頃には、学校以外にも塾や習い事が沢山あります。中学生や高校生になると、ネットで様々なコミュニティーで暮らすことが可能になります。更に、大きくなれば、働き手不足により、色々なところで働くことが可能になります。そうなると、一つのコミュニティーで何とかして生きていくよりも、他の人と同じ人格で無理せずやっていけるコミュニティーを見つけて生きていくことが大勢になってきます。多くのコミュニティーがそのようになっていけば、個性的ではなく共通的な人の集まりのどこに属するか、ということが人々がコミュニティーに属する方法になってきます。
このような共通的な人の集まりを探して溶け込んでいくという生き方は、中年や高年にとっては、ある意味難しいことかもしれません。コミュニティーでぎくしゃくしながら人間関係を作っていた生き方が通用しなくなる可能性があるのです。一般に女性は得意ですが、男性は難しいことが多いでしょう。高年になってから、大きく生き方を変える必要があるかもしれません。

次回に続きます。