兼務ってどうなの!?

会社において、部長、課長、係長といった部署を作り、その組織長を設定するというのが通常の組織設定です。部署には色々な役割があり、組織長は、部署をリード/マネジメントして成果を出していきます。組織長は、重要な役割を担っています。

そういった観点から、組織長はその業務に専念すべきですが、実際のところは必ずしもそうにはなっていません。研究部長と開発部長を兼務したり、営業部長と東日本営業課長を兼務したりするということが、といったことがよく見受けられます。これって、良い面もあるし悪い面もありそうです。今回は、このことについて考えます。

原則として、兼務というのは避ける方が良いと思います。特に役職が上がってくると、一つ一つの組織長の責任は重いですし、一つの部署を持つだけでも大変です。それを二つ以上も持つことになると、いずれも中途半端になる可能性が高いです。あるいは、一つの部署だけを見て、他の部署は放ったらかしになるかもしれません。部下にとっても、兼務の組織長はどうも頼りきれないものです。兼務が余裕で出来るほど組織長と言うのは甘くありませんので、止むを得ない理由があり、また、部署運営が出来る場合に限った方が良いでしょう。

また、兼務すること自体がよくない組み合わせというのもあります。例えば、研究と開発を分けている会社が多く有りますが、それは、開発部門はお客様に向けた商品化を様々なニーズに応じて急いで行う必要があるため、足元のことしかできずに将来に向けた技術研究ができないことが要因となっています。それを回避するため、足元のことに捉われずに長期的に技術研究するための研究部門を別に設けているのです。研究部門と開発部門の長を兼務するのは、あまり良くありません。このように、兼務をする時は、組織を分けた理由そのものに反しないように設定するべきです。

では、兼務が止むを得ない場合はどんなものがあるでしょうか。よくあるのが、ある部署の組織長が他に異動になったり退職したりすることにより、組織長が不在になった場合です。この場合、その部署が継続して必要であり、組織長の後任を一定期間以内に探すことができるのであれば、兼務は止むを得ないでしょう。しかしながら、長くそれを続けると不具合が大きくなるので避けましょう。

また、特殊な場合として、部長を次の若い人に任せたいが、候補者が一人居るがうまく行くかどうかわからない、あるいは、候補者が複数いるがどの人が良いのかが判断つかない、といった場合に、だれかを兼務につけて様子を見るといったことがあります。この場合、兼務の組織長は基本的に何もせず、候補者がどこまで頑張るかを観察することになります。これも、一定期間以内に決めるのであれば、容認できると思います。

いかがでしょうか。兼務はやらないにこしたことありませんが、どうしてもの時はよく考えて設定するようにしましょう。