仕事でコンセプトを設定する

部長や課長といった役職に就いたり、あるいは、個々の仕事を推進するためにプロジェクトリーダーになったりした場合は、会社にとって重要な仕事を任されるわけですから、うまく、その仕事をまとめあげなければなりません。特に、大きな仕事になればなるほど関連する人も多くなりますから、仕事をまとめあげるというのは難しくなります。システム開発でも商品設計でもサービス業務であっても、多くの人が集まって仕事をするとなかなかまとまりません。

例えば、新しいシステム開発を行う場合に、ある部署はコストを安いものが良いと主張し、別の部署はスピードを上げて効率的に開発したいと主張し、さらに別の部署は、これまでにない新しい機能を搭載したいと主張するかもしれません。これは、役職者やプロジェクトリーダーが見える範囲で議論を行っているのであれば、ある程度その場で誘導することも可能かもしれませんが、いつでも役職者やプロジェクトリーダーが議論の場に居るわけではありませんし、大人数でやっているのであれば、隅々まで確認するなんてことは所詮は不可能になります。

もちろん、組織体制やプロジェクト体制を作ることは可能ですか、それは仕事を推進するための形に過ぎません。いくら形を作ったところで、部署間が会話したり、個人間で会話する場合には、まとまることは難しいです。そんな時に有効になる武器の一つが、「コンセプト」を設定することです。

これは、例えば、自動車の開発を例にとると分かりやすくなります。新車を開発する場合に、部品1つ1つの選定をリーダーがやるのならば問題ありませんが、複数人にわけて適当にやると、ちぐはぐな車ができてしまいます。ボディは重厚、ハンドルはスポーティー、エンジンは燃費重視、みたいな車が出来上がれば、誰も買いませんよね。こんな時に、リーダーが、新車のコンセプトを、「社会人3年目の人が無理なく買えるスポーツカー」とすれば、部品を複数の人が選んでも、それらしいものが出来そうです。仕事でコンセプトを作るというのは、こういったことです。

例えば、システム開発の場合、「どこにもない画期的なシステムを時間をかけて2年で作る」「基本システムを用いて、お客様毎に簡単にカスタマイズできるシステムを作る」「バグのないシステムを作るため、実績あるモジュールを最大限活用する」といったコンセプトをどれか、あるいは1~2つ設定します。このことによって、一つの仕事を複数人でしたとしても、ばらばらになりにくく、仕事がまとまる可能性が高いです。役職者やプロジェクトリーダーが、いつも細かいことをチェックする必要はありません。

いかがでしょう、イメージわきましたでしょうか? 仕事のコンセプトを設定すると、大人数で仕事をする時でもまとまりやすいので、お試しください。

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