前回に続き、部長ってどんな仕事をするべきで、どんなことに注意すれば良いのか、そんな「部長ってなに?」というのを考えていきます。
・部下の隅々まで気を遣う
サラリーマン/会社員は、誰もが今の会社に満足して仕事をしており、プライベートもそれなりに充実しているわけではありません。若い社員だと、今の仕事を続けるべきか、他の会社に移った方が将来性があるのではないかといった悩みを持っている場合が多いです。一方、中堅社員になると、子供が思春期を迎えて家庭内の運営が難しくなったり、出費が多くなり家計のやりくりも大変です。更に、ベテラン社員になると、ご両親の介護や自身の様々な体調不良などが現れてきて、プライベートの方が大変になってきます。
会社においては、会社に居る時のメンバーのことしか分かりません。特に、最近は会社のメンバーと飲みに行ったりプライベートを過ごすことも少なくなってきていますから、メンバーのプライベートを理解することが難しくなってきました。しかしながら、プライべーとを優先される昨今だからこそ、部下のプライベートに配慮することも重要です。
もちろん、メンバーのプライベートを全て把握しておけと言うのではありません。メンバーにとっては言いたくないこともあるでしょう。そこを無理やり言わそうとしても、迷惑なだけです。大切なのは、部長として、メンバーがプライベートで困っていることが有れば、会社として可能な限りの融通をきかせることが出来るのを知ってもらい、それに必要な情報を本人の希望があればもらうことです。メンバーにとっても会社にとっても、少しの融通をきかせることで互いにメリットがあるのならば、それに越したことはありません。
ただ、自分のプライベートを会社に自ら申告するというのは、なかなか難しいものです。優秀な社員ほど、その傾向があります。ですから、部長は、部下の隅々まで気を遣い、少し変わったことが有れば、軽く声をかけてみたり雑談に誘ったりすることが良いでしょう。
・会社と社員の幸福を作る
社員から係長、係長から課長になったくらいまでは、サラリーマン/会社員は、実務や業績で成果を残すことが最も大切です、それによって、会社が利益を上げ、自らも評価され、給料も上がっていきます。ですが、そればかりでは、会社への貢献ばかりが評価され、社員個人の幸福は重要視されません。いまや、仕事とプライベートが共に充実しているのが良いとされる時代です。そんななか、会社の業績もメンバーの幸福もよく観察して両立させることが出来るのは、部長のポジションが最適でしょう。仕事もよくわかり、人生経験が積まれたことによってメンバーのそれぞれの悩みにも気を配ることができるでしょう。会社と社員の両方の幸福をつくる、それが真の部長の役割のように思います。
以上、「部長ってなに?」と題してこれまで、書いてきました。今回でこのシリーズは一区切りします。部長にまでなると、会社のことも人生のこともある程度わかってきて、金銭的にも余裕があることが多いです。そんな部長には、心の余裕をもって、会社やメンバーの隅々まで配慮して、部全体を良い方向にもっていく人になって欲しいと思います。