前回に続き、部長ってどんな仕事をするべきで、どんなことに注意すれば良いのか、そんな「部長ってなに?」というのを考えていきます。
・方針を実現する組織体制を作る
会社の方針に基づいて自部門の方針を作り、ヒト・モノ・カネを用意したのであれば、次は、方針を実現する組織体制を作ることが部長の仕事になります。組織体制をどのように作るかでアウトプットは大きく変わってきます。
部長が作る組織と言えば、課と課長、係と係長ということになるでしょう。通常は、1つの部に課が3つ程度、それぞれの課に係が3つ程度という感じでしょうか。この構成と、誰を任命するかがポイントになります。また、課長や係長のポストに相応しい人材が居れば悩むことは少ないですが、実際はそういうことも少ないので、難しくなります。
課長を選ぶときには色々なポイントがありますが、先ずは何よりも、会社の考えに賛同する人間を課長に選ぶべきでしょう。以前にも書きましたが、課長は、会社としてやるべきことを、メンバーを使ってやる仕事です。ですから、いくら優秀であっても、会社よりも係長やメンバーと同じ考えであるとすれば、現場と迎合して上司の指示をかわそうとするだけになります。会社の考えに賛同できないのであれば、スタートにも立てていないということです。
その上で、次に挙げるとすれば、係長やメンバーの考え・気持ちが分かる人を課長に配置すべきでしょう。というのも、会社がやりたいことを現場に落とすのに、現場の考えや気持ちが分からないようであれば、部下を動かすことが出来ません。いくら課長が優秀であっても、自分だけ頑張っても1人分の成果しかでません。求められているのは、課の人数分以上の成果です。
つまり、課長に必要な素養は、実務能力そのものよりも、上下の意思疎通が出来ることのほうが重要ということです。もちろん、実務能力も重要です。ですが、それは、現場を動かすために必要なことを知っている、あるいは、現場が行き詰ったことを察知して次の手を繰り出すことが出来る、このようなことを最低限出来れば何とかなるものです。
では、係長はどうでしょうか。係長は、実務能力優先で良いと思います。係は、課長から言われた仕事を片っ端から片付けていくものです。メンバーも数人でしょうから、たいしたマネジメント能力は必要とされません。それよりも、メンバーを実務で引っ張り、メンバーが実務が進まない時は自らがその実務を片付けてしまう、そのような頼もしさのほうが必要です。そのような中で、実務能力に加えてマネジメント能力が芽生えてくれば、それは課長候補になるのでしょう。
次回に続きます。