前回に続き、部長ってどんな仕事をするべきで、どんなことに注意すれば良いのか、そんな「部長ってなに?」というのを考えていきます。
・ヒト・モノ・カネを手配する
部長は、やるべきことを考えて皆を誘導していくことが大事であることをこれまで述べてきましたが、その次に大切な役割があります。それは、ヒト・モノ・カネをとってくることです。つまり、必要な人材、システムやしくみ、そして予算といったリソースを確保することです。
課長以下は、部長から言われたことをリソースを用いて実現していくわけですが、そのリソースが無ければ業務を遂行して成果を上げることは出来ません。課長以下は、業務を遂行することがミッションであり、またそれに注力させるため、リソースの確保を要求されることは通常はあまりありません。それは、一般的には部長が果たすというケースが多いと思います。
人材を集めるには、関係部署との良好な関係が必要です。他部署との人材交流を行う場合は、自部署のメリットだけを考えていれば成功することはありません。自部署と他部署がお互いがメリットある人材交流であったり、会社としてのメリットを考えて他部署を優先させたり、困った時の貸し借りなどをすることで、人材交流できるパイプが増えてくるのです。また、社外から人材をとってくる場合にも、他社との取引で信頼関係があればこそ可能になりますので、日頃からそのような付き合いをすることが大切です。
システムやしくみの導入も、課長以下が業務を成功させるには大切な要素です。いまや、ビジネスではシステムやしくみが無ければ仕事が出来ないほどに複雑化しています。また、日々、変化しています。ですから、定期的にシステムやしくみをアップデートしなければ、仕事の効率が落ちてしまいます。システムやしくみを導入・アップデートするには、IT部門や事業推進部門にやりたいことを説明して必要性を理解してもらい、リソースを投入してもらう必要があります。そのためには、自部署のやろうとしていることの重要性のアピール、システムやしくみを入れることによる費用対効果の算出などが必要になってきます。
そして、やはり大切なのは、予算です。人材にしても、システムやしくみの導入にしても、予算が無ければ準備することができません。そのためには、やろうとしていることが会社の方針とマッチしており、上司や関連部署にも認められていている必要があります。このことは、会社の業績が良い時は比較的簡単ですが、会社の業績が悪い時には難しくなります。特に、会社の業績が悪い時でも、必要な業務は必要なお金をかけてやるべきであり、こういう時に予算をきっちりと確保できるのが、素晴らしい部長だと思います。業績が悪い時は、とにかく何もしないでおこう、という部長であれば、長くはないでしょう。
次回に続きます。