前回に続き、課長ってどんな仕事をするべきで、どんなことに注意すれば良いのか、そんな「課長ってなに?」というのを考えていきます。
・個人視点から会社視点に
サラリーマン/会社員は、就職するとすぐは、上司から言われて仕事をします。もちろん、多くの場合は、仕事というのがわからないので、上司から言われる仕事をするしかないのです。その仕事のほとんどは作業に近いものであり、上司の決めたスケジュールで、上司の決めた内容の作業を、上司の決めたレベルでこなすことになります。本人が納得できていないことや、本人の都合に関係なく決められることが多いので、どうしても、個人と会社の都合を切り分けて、相対するように考えてしまいます。これは、係長になっても、その延長線上にいることが多く、メンバーの実務の都合をベースに、会社側/上司からの要求をどのように対応していくかということを考えていきます。
ところが、課長になると、そういう訳にも行きません。会社として、必要な業務を完遂する責任があります。つまり、個人の都合で仕事を考えるのではなく、会社の視点で仕事を考える必要があるのです。会社視点でやるべきことを考え、メンバーの個人都合を調整していくことになります。
当然、課長は、会社視点で物事を考えるだけでは、不十分です。というのも、例えば、会社視点で物事を考え、それに基づいてメンバーに仕事をやらせるけども、自分はプライベート優先でさっさと帰ったりしていれば、メンバーはすぐについてこなくなるでしょう。会社視点で物事を考えるというのは、自分自身の行動に対しても行う必要があるのです。こうすることで、課としての仕事が全うできるようになります。
・仲良しメンバーから真の上司部下に
課長は、個人視点から会社視点に変わる必要があることを前の項目で書きましたが、それと同様に大切で難しいのが、メンバーと真の上司部下になることです。例えば、係長とメンバーの関係は、ともに実務を遂行するメンバーですから、仲間としての関係です。実務として苦しいときは、係長もメンバーも同じく苦しいというわけです。
ですが、課長と係長・メンバーの関係は、そうではありません。会社側として、実務をやり切るように部下に要求するのですから、仲良しメンバーの一員としてやっていくことはできません。部下の能力や体力やプライベートをよく分析し、戦力を冷静に判断します。そのうえで、組織としてベストパフォーマンスを発揮できる配置を決めます。そして、仕事の指示を行って、メンバーの仕事の進捗管理を行います。これらをビジネスライクに行うことが必要になります。もちろん、メンバーとの関係を断って、冷たくやれと言っているわけではありません。メンバーのことを良く理解して、個々の事情にも配慮しつつ、会社としてベストであると判断したことをきっちりとやらせる、こういうことが大切になるのです。
次回に続きます。