役職:係長ってなに?⑤

前回に続き、係長ってどんな仕事をするべきで、どんなことに注意すれば良いのか、そんな「係長ってなに?」というのを考えていきます。係長編は、今回が最後です。

・失敗のリカバー

係長は、実務メンバーを指揮して業務をこなしていく役割です。いまは、ビジネスが多様化したために多くのことに対応していかねばなりませんから、限られたメンバーで目いっぱいの仕事をこなせばなりません。メンバーの中には、優秀な人やそうではない人、仕事の精度が高い人や低い人など、様々な方がいらっしゃるでしょう。よって、メンバーの業務アウトプットのレベルも、高いものもあれば低いものもあります。
全ての業務はビジネスに要求される必要なレベルを満たさねばなりません。時には、メンバーのアウトプットが必要レベルを見たさずに失敗に終わる場合もあります。このような場合、誰かがリカバーせねばならないのですが、メンバーそれぞれが目いっぱいの仕事をしているのであれば、失敗業務のリカバーにあてるのはなかなか難しいものです。そうなると、係長自らが失敗のリカバーをせざるを得ません。
もし、係長が自分の仕事を目いっぱいしているのであれば、メンバーの失敗のリカバリーができませんから、係としてミッションを果たせないことになります。ですから、係長は、メンバー個々の能力と業務進捗を確認しておき、メンバーの失敗のリカバーに必要な時間を読み、その時間をあらかじめ空けておくことが求められます。

・次の課長を目指す

もし、あなたが若くして係長になったのであれば、現時点での実力が評価されたことはもちろん、将来を嘱望されているのでしょう。次の課長候補と目されているはずです。それが会社側の期待であり、自分が今後大きな仕事をしていくためにも、出世の階段を是非とも登って欲しいものです。
そのためには、係長として実務をリードするとともに、課長は何を考えているのか、その上の部長は何を求めているのかを考えることが必要になってきます。実務メンバーとして個々の仕事をやっている時に、このようなことはあまり必要とされないのですが、役職が上がるにつれて必要になってきます。というのも、ビジネスは、社長の作ったコンセプトに基づいて、皆がそれに対応した仕事をすることによって、しっかりとした一つの成果にまとまることができるからです。社長の作ったコンセプトを理解せず、それぞれが似ているけれども実は異なった方向で仕事をしているのであれば、最後にまとまったビジネスにはなりません。
コンセプトを理解して仕事をするというのは、係長においてはあまり必要ではありません。ですが、これは急には出来ないものです。特に役職が下であれば、社長や経営幹部の考えを直接聞くことも少ないですから、なかなか理解できません。普段から、気を付けて色々な情報に接することによって、コンセプトを理解できるようになってくるのです。
社長の考えを、課長の話や部長の話やそのほかの情報から推察し、それに応じた仕事を進めていく、このような練習をはじめておきましょう。

今回で、「役職:係長ってなに?」シリーズを終わります。新任係長さんが、元気に大きく成長して、末は会社を支える重要人物になることを期待しています。

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