役職:係長ってなに?④

前回に続き、係長ってどんな仕事をするべきで、どんなことに注意すれば良いのか、そんな「係長ってなに?」というのを考えていきます。

・業務改善提案

会社においては、メンバーが実務を行い、係長がそれをリード、課長や部長は方針や戦略を提示します。ところで、メンバーは実務をすることが精一杯であり、業務上で非効率なところがあったとしても、それを改善するアイディアを出す時間の余裕はなかなかありません。一方、課長や部長は、実務から離れて方針や戦略を出すことが殆んどなので、業務改善以前に非効率が存在するということもなかなかできません。ですから、その中間に存在する係長が、業務改善提案をする絶好のポジションに居ることになります。
もちろん、係長も忙しいので、なかなか業務改善提案をする時間は取れないでしょうけれども、実務を少し離れて客観的に業務を見ることができるポジションは、業務上の非効率な部分が良く見えますし、具体的な改善提案を行う能力も備えています。
方針や戦略を出すことと同じくらいに業務改善と言うのは重要なことですから、実務を良く観察して提案していきましょう。

・現場の問題を上げる

課長や部長から出された方針や戦略に基づいて、実務メンバーと係長は業務を行っていきます。このトップダウンがうまくいけば、業績もすっと上がろうものですけど、実際は中々そうはいきません。業務そのものがうまく行かない場合もありますし、業務がうまくいったとしても業績が上がらない場合があります。このような場合、課長や部長が現場に関心があって入り込んでくるタイプなら、放っておいても問題が拾われる可能性がありますが、実際はそういうことが少ないです。ですから、現場で起こっている実務問題点を係長が、課長や部長に上げなければなりません。
例えば、課長から部長が新しい方針や戦略を出したとしても、既存の業務が残っていて新しい業務に取り掛かることが出来なかったり、新しいことをしようとしても知識やルールやシステムがついていかずに現場が混乱したりしているかもしれません。このような場合は、ただ問題点を上げるだけでは、課長も部長も解決が出来ません。ですから、問題を上げると同時に、業務の整理方法や、ルールやシステムをどのように改善すれば良いかという解決策も、同時に提示する必要があります。
また、方針や戦略通りに業務が行われていても、業績が上がらない場合もあります。これは、なにか抜けている業務があるのかもしれませんし、業績が上がっているけれども経営数値に反映されるのがしくみ上遅いのかもしれません。このような場合も、現場として考えられる問題を上げることによって、課長や部長は業績が上がらない要因を特定しやすくなります。
係長は、現場リーダーの目線で、考えられる問題点を挙げて、経営に貢献するようにしましょう。

次回に続きます。