若い社員が昭和社員を使いこなす方法⑪

前回の記事に続いて、若い社員が昭和社員に気に入ってもらい、味方になって色々助けてもらうにはどうしたら良いのか、昭和社員の特徴に注目して、その項目ごとに考えていきます。今回が最後になります。

・残業や休日出勤が好き

昭和社員の多くは、残業や休日出勤が好きか、あるいは苦にしない方が多いです。一方、若い社員の方には、原則として残業はしない、休日出勤なんて論外と言う方も多く居らっしゃいます。どうして、このような差が生まれるのでしょうか。
今の昭和社員は、バブルを経験していますので、残業や休日出勤は当たり前という時代を過ごしてきました。周りの多くがそうでしたから、違和感が無かったわけです。また、今や昭和社員の多くが役員が管理職などになっていますから、残業や休日出勤についての規制を上kる方が少なっています。このようなことから、昭和社員に残業や休日出勤に抵抗が無いのです。
一方、若い社員は、人手不足の中で就職していることもあり、大切に処遇されています。また、もし今の職場で気に食わないことが有れば、転職することも比較的容易です。こういった観点から、若い社員は、残業や休日出勤をかなり特殊なものとして感じている方も多いようです。
このような意識の違いがある中で、若い社員が昭和社員より残業や休日出勤を求められたらどうしたら良いのでしょうか。
これは、その必要性と自分のプライベートを天秤にかけて判断するしかありません。会社としても人手が足りない時やビジネスで緊急の場合は、残業と休日出勤をお願いせざるを得ない場合もあります。逆に、若い社員にとっては、人手が足りないと言っても会社側の都合だけで労働環境の悪さを延々と呑むわけにもいかないでしょうし、ビジネスで発生した緊急性の要因が会社側の不手際であるならば納得もいかないでしょう。また、残業や休日出勤をすると会社に認められがちですし、やりすぎると心身やプライベートに影響します。つまり、仕事とプライベートのバランスを、それぞれが自分の生き方で判断する他はありません。

・酒の席で仕事の話題が多い

昭和社員と会話したり酒の席になると、仕事の話が殆んどでそれ以外の話にならないことが多く有ります。若い社員の酒の席では色々な話題が展開されますので、大違いです。これは、どこから来るのでしょうか。
昭和社員は、多くがプライベートよりも仕事中心で生活することを要求されてきました。また、酒の席も仕事の延長で使われることを要求されてきました。従って、酒の席=仕事の延長というのが身体に染み付いているわけです。
逆に、若い社員は、仕事は仕事、酒は酒です。これらをきっちりと分けるようになっています。昭和社員のスタイルは、なかなか受け難いものでしょう。以前は、このような若い社員に対して昭和社員が仕事の延長での酒を要求して揉めることもありましたが、最近は少なくなってきたのではないでしょうか。仕事の延長になりそうな酒の席は、もう若い社員はついていきませんし、昭和社員が誘うことも少なくなったでしょう。
ですから、今や昭和社員が若い社員と酒を飲むことも少なくなってきたのではと思います。誘うことも難しくなっているかもしれません。ですから、若い社員は、たまには昭和社員を酒に席に誘ってあげて、盛り上がり方を教えてあげる、みたいなスタンスが良いのかもしれません。残念ながら、仕事を動かして人事も動かしているのは昭和社員ですから、ある程度は仲良くしてあげた方が得な場合も多いですから。

以上、複数回に分けて、若い社員が昭和社員を使いこなす方法について書いてきました。世代間のギャップを背景から理解し、うまく利用したりかわしたりすることで、上手に付き合って行きましょう。