若い社員が昭和社員を使いこなす方法⑨

前回の記事に続いて、若い社員が昭和社員に気に入ってもらい、味方になって色々助けてもらうにはどうしたら良いのか、昭和社員の特徴に注目して、その項目ごとに考えていきます。

・男と女の役割を分けたがる

仕事において、今や、男と女の役割を分けることは、望ましいとされていません。均等の機会を与えられるべきです。ですが、昭和社員は、仕事における男の役割と女の役割を分けたがる傾向にあります。これは、育ってきた環境がそうであることが理由です。
昭和の時代は、仕事においてはずっとそうでした。もちろん、最近はそういう時代でないことは昭和社員も分かっていますし、そういう教育も受けています。ですが、理屈はわかっていても、対応の仕方がわからないわけです。仕事で男女を同じに扱うと言っても、配慮すべきことや男女間のマナーがあるわけで、それを理解した上の対応というのは、すぐに出来るものではありません。特に、若いころから長い間、男の役割と女の役割をはっきり分けていた昭和社員には、新しい考え方や対応の仕方をマスターするのは至難の技です。
こうなると、昭和社員でも2つに分かれるように思います。男女機会均等にすべきと思って色々と努力しているんだけれども上手く出来ないタイプ、そして、表向きはは男女機会均等のように振る舞いながら心の中ではそうは思っていないタイプです。こういうのは、よく観察していると分かってきます。特に、最近の若い社員は観察力が優れているので、見分けることが出来るのではと思います。ですから、前者のタイプには上手に男女それぞれへの対応方法を教えてあげ、後者のタイプは避けるかたまにはお灸をすえる、みたいな使い分けが必要だと思います。

・口調がキツイ

昭和社員には、口調がキツイ人をよく見受けます。ですが、最近の若い社員にはあまり見受けることができません。これについて考えます。
昭和社員が育った子供の頃は、親や教師が子供の社会・子供の人間関係に踏み込まない時代でした。従って、その中で生きていくには、必要に応じて声を大にしないとなりません。色々なことを、自力のみで工夫して乗り越えていかねばならない時代でした。それが、大きくなって会社員になっても続いると思います。また、以前にも政治の話のところで書きましたが、必要に応じて声を大にして、国や会社に対しても強く要求をせねばならない時代を生きてきました。
ところが、最近の子供たちは、親や教師や色々な機関が子供社会をチェックし、うまく育っていく環境を皆で作るという世界で生きています。もちろん、子供たちの中で色々なトラブルは発生し、自分たちで解決しないといけないことも沢山あります。しかし、声を大にしたりすると、(例え本人が正しいとしても)逆に親や教師から咎められることもあります。人間関係をスマートにしていかねばなりません。そういうセンスが育ってきていると考えられます。更に、ネット社会になって、声を大にしてしゃべらなくてもそれ以外の方法で主張することも可能であり、目立って口調がキツイと言うことはありません。
逆に、今の若い社員の方が、子供の社会・子供の人間関係だけではなく、親や教師や色々な機関も絡んだ経験を早くから積んでいるため、一般的に社会の中で生きていくテクニックが昭和社員より優れていると思います。そういう時、昭和社員が口調キツク言っていたとしても、「もっとスマートにやらないとうまく行かないのに」くらいを思っていることでしょう。
ただ、こういうことを言っても昭和社員にはなかなか分からないでしょうし、同世代がそのようなテクニックを使わない/使えない方も多いので、まぁ、若い社員によっては、黙って見過ごすしか無いように思います。埋まらない世代間ギャップです。

次回に続きます。