前回の記事に続いて、若い社員が昭和社員に気に入ってもらい、味方になって色々助けてもらうにはどうしたら良いのか、昭和社員の特徴に注目して、その項目ごとに考えていきます。
・年功序列を重んじる
年功序列というと、年齢を重ねた人はある程度納得しますし、若い人はなかなか納得できないものがあります。これは、今の時代と言うよりも、過去から常にそうであったのではないでしょうか。ただ、昔の時代の方が、年功序列に関する納得性が高かったように思います。
というのは、以前情報の閉鎖性が強かったですから、先輩社員は若い社員に対して、知っていることでも教えないということが多々ありました。ノウハウを知りたかったら、自分で勉強したり先輩の技を盗んだりして体得すべしというところがあったのです。仕事はそうやって上達していくものだという考えがありました。確かに、そうやって得たものの方が確実に自分の身についたと思います。
ところが、最近はそうでも無くなってきました。ネット社会の到来により、仕事のノウハウなどもあちらこちらに掲載されていて、誰もが同等にその知識を得ることができるようになりました。これは、一般社会でもそうですし、会社においてもその傾向があります。また、パソコンやスマートフォンなどの新しいITツールが登場しましたが、これは、昭和社員よりも若い社員の方が使い方に精通しています。つまり、仕事のノウハウ量が逆転してしまいました。
さらには、ビジネス環境の変化が激しいために、どの会社でもやるべきことが多く有って仕事が山積みになっています。そうなると、昔のように一部の難しい仕事だけを先輩社員がやって、あとの作業的仕事を一般社員が行うという時代ではなくなってきました。山積みになった仕事を皆で分担しながら、なんとか多くの仕事をこなしていくという時代になっています。
そうなってくると、昭和社員と若い社員それぞれができる仕事の難易度、質、量というものを総合しても、必ずしも昭和社員が優れているということは無くなってきました。こうなると、若い社員にとっては不満が溜まってきます。特に、あまり仕事が出来ない上司が偉そうにしてきたり、あるいは、その上司の仕事の不手際のおかげで自分にとばっちりが来た場合などは、特に不満を感じます。年功序列に対して、若い社員が否定的になるのはこういう時でしょう。
このような場合、若い社員は昭和社員にどのように接したら良いでしょうか。これについては、年功序列のメリット・デメリット、そして能力主義のメリット・デメリットのそれぞれを、きっちりと説明して対応を求めれば良いと思いす。例えば、年功序列によるメリットとして昭和社員は知識と人脈と調整力があり、若い社員には新しいシステムを使いこなす能力と仕事のスピードがあります。デメリットはそれそれ逆になります。この、メリット・デメリットを正しく比較して、置かれた状況では年功序列と能力主義のどちらをとるべきかを論理的に説明して対応を求めるべきかと思います。単に、年功序列を何かの一面だけ見て否定するのは良くありません。トータルで判断して進言すれば、昭和社員も耳を傾けてくれるかもしれません。
次回に続きます。