若い社員が昭和社員を使いこなす方法③

前回の記事に続いて、若い社員が昭和社員に気に入ってもらい、味方になって色々助けてもらうにはどうしたら良いのか、昭和社員の特徴に注目して、その項目ごとに考えていきます。

・疑い深い

昭和社員の特徴として、疑い深いことがあります。若い社員がデータをまとめたり情報を整理してきた時に、元データの確からしさ、元情報の信頼性などに、その中身を執拗に確認しようとしてきます。それが、社内のデータであったり公的な機関の情報であっても、変わりません。若い社員にすると、せっかく頑張って資料を作成したのに、自分の努力以前の元データや元情報について否定されてしまうと、何とも言えない不満を感じてしまうことが多いです。この違いは、どこから来るのでしょうか。
昭和の時代には、怪しい商品や怪しい商売などをあちらこちらで見受けました。粗悪な商品や偽物商品に騙されたりするということが幼いころからあり、悔しい思いをすることが何度もありました。また、怪しい商売に騙されて一文無しになった、といった身近な噂やニュースに触れることも多く、騙されないようにという教育もされてきました。
ところが、若い社員が育った環境では、そういったことはかなり少なくなってきています。まず、幼いころに騙されてきた親たちが、そういうことが起こらないように子供たちを守ってきました。特に、少子化により、親や祖父母や親せきの多くが、一人の子供のまわりに目を光らせてきました。その結果、周りをあまり疑うことが無く。子供たちが育つようになってきました。あるいは、自分が周りに守られているという感覚を持って、育ってきました。
このように、周りから騙されてきた昭和社員と、周りから守られてきた若手社員では、考え方が大きく異なるのは当然です。その結果、会社では、データや情報に対する見方が大きく変わってきます。これについて、若手社員は、どう考えたら良いのでしょうか。
若手社員が子供の頃に周りから守られてきた状況とは異なり、社会人になると守られません。多種多様な人が居るビジネス環境で生きていかねばなりません。特に、今のビジネスは、インターネットの普及などによって多くの国の人たちと取引をすることになります。そうなると、昭和社員が生きてきた時代よりも、さらに酷い怪しい商品や怪しい商売などに触れることになります。このような時代でビジネスで生きていくには、当然のように、若手社員の考え方よりも、昭和社員の経験の方が役に立ちます。身をもって騙されてきた昭和社員の方が、対応しやすいと思います。
ですから、昭和社員からデータや情報の怪しさを指摘されたとき、若手社員は根拠や疑うべきポイントを学ぶべきです。そのチェック方法や対応方法を昭和社員から学び、自分が成長してビジネスの世界で成功するチャンスと考えましょう。

次回に続きます。