信用スコアとは?③

前回に続き、中国やアメリカで普及してきている「信用スコア」についての記事です。信用スコアについての考察を幾つかの観点に基づいて行っていきます。

・個人情報の問題は?

信用スコアというのは、多くの個人情報で構成されています。いまや、日本だけではなく海外でも個人情報の保護が言われています。信用スコアは、個人情報が知れるだけではなく、そのまま自分の社会生活に影響します。ですから、それが使われるということに抵抗感があるかたも多いだろうと思われます。これについては、どう考えたら良いでしょうか。
ネット社会の普及と発信型個人情報によって、個人情報の意識がここ10年で大きく変わっています。個人情報を守るというよりも、自ら発信する時代になってきました。また、個人が情報を発信するというスタイルが経済に与える影響も大きくなってきました。つまり、ネット社会の発展によって、個人情報の意識が変わるとともに、ビジネスモデルも個人情報発信に頼るものが多くなってきたのです。こうなると、ネット社会で生きる人たち、今後はこの人たちが主流となる世界に変わっていくと思うのですが、今よりも低い垣根で個人情報を取り扱うようになっていく可能性が高いです。
ビジネスの世界では、企業も情報の開示が求められ、信頼性の高い情報に基づいて商取引することが健全で望ましいと考えられています。これが、ネット社会になり、個人でもネットで利益を上げることが可能な時代ですから、ネット社会では個人の情報の開示も求められるようになるかもしれません。
このように、個人情報については、ネット社会がどのようになっていくについて大きく左右されていきます。今後をよく注視していくべきでしょう。

・海外からの参入で一気に普及か

先の個人情報のように、信用スコアが日本で即に受け入れられるかどうかと言えば、少し疑問が残ります。アメリカや中国に比べて日本は比較的考え方が保守的ですから、新しいものが入って来ようとするときは先ずはマイナス面を考えてしまいます。もし、何か問題が起これば、監督官庁も責められますから慎重にならざるを得ません。ですから、信用スコアも、日本においては最初はゆっくりとしたスピードで導入されていく可能性が高いです。
しかし、インターネットの社会に国境はありません。中国など一部の国では海外とのやり取りが規制されていますが、日本ではそうはなっていません。いろいろなしくみが海外から入ってきて、一気に普及する可能性があります。Google、Apple、Facebook、Amazonなどは、その典型的な例でしょう。これらが海外から入ってきて、あっと言う間に日本の社会もこれらが無しでは生きていけないほどのものになってしまいました。信用スコアも、これらGAFAと同じようにそれなしでは生きていけないネット社会が構築されるかもしれません。これからの社会はリスクを論じるだけではなく、メリットや他の国々で普及状況をよく見て、その将来を見据えねばなりません。

次回に続きます。

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