前回に続き、企業における組織変更のポイント・注意点について書いていきます。組織変更は、色々なところに影響を与えるので、項目ごとに注意して見ていきます。
・メンバーが分かりやすい組織を
組織変更を行うときにおいて、思い切った変化や改革を求める時、経営者や組織長は思い切った変更を行い勝ちです。リーダーは理想を追い求めるものですから、それは当然と言えます。ですが、経営者や組織長と組織メンバーでは、求めるものが違います。組織メンバーは、日々の実務と格闘しているわけですから、理想を追い求めた思い切った組織変更をされたとしても、なかなか理解することが出来ません。
ですから、組織変更は、経営者や組織長がやりたい理想だけではなく、メンバーの現場業務もきっちりと遂行できる組織にする必要があります。そして、それがメンバーが分かりやすいものにしなければなりません。例えば、メンバーにとって組織名が分かりやすい、メンバーの役割が明確になっている、などです。メンバーが組織に納得しないと、経営成果はなかなか現れません。
・周りから見ても分かりやすい組織を
組織と言うのは、自組織だけで活動を行うことはほとんど稀であり、他組織や他企業と共同で業務を行います。こんなとき、周りから見て分かりにくい組織というのは、一緒に業務をしにくいものです。例えば、部署名が突飛だと、何を頼んで何を一緒に業務したら良いのか分かりません。また、今まで聞いたことが無い役職名の人ができていると、何の決裁をしてもらわないといけないのかが分かりせん。つまり、周りから分かりにくい組織と言うのは、周りと協同して業務を行うのが難しくなるのです。ですから、新しいことをしたい組織であっても、周りから見て分かりやすくように気をつけましょう。
・他組織にメリットある組織に
組織を変更する理由は、殆んどの場合が自組織のために行われます。新しい仕事を行う、効率的な体制にする、などです。ところが、多くの場合は自組織のメリットにばかり目が行き、他組織のことを考えないということに陥りがちです。他組織にとっては、自分たちにメリットがある組織変更は大歓迎ですし、自分たちにメリットが無くデメリットが多い組織変更は悪影響さえ及ぼすことがあります。組織は、互いに協同して初めて成果を上げるのですあら、互いにメリットが無いといけません。
逆に、組織変更によって、他組織が困ってしまうこともあります。例えば、新しい業務を行うために古い業務を捨て去ってしまうことがありますが、他組織によってはその古い業務が必要であったかもしれません。そうなってしまうと、その他組織の機能が止まってしまい、結果として経営に悪影響を与える可能性があります。つまり、自組織を変更する場合は、自組織の業務だけでなく他組織の業務がどうなっているかも考慮して、広く会社全体の影響を考えて行うべきものなのです。このようにして組織変更すると、あなたは周りから助けてもらえることが多く有るでしょう。
次回に続きます。