組織変更のポイント・注意点④

前回に続き、企業における組織変更のポイント・注意点について書いていきます。組織変更は、色々なところに影響を与えるので、項目ごとに注意して見ていきます。

・現場の仕事を見えるように

組織変更に限ったことではないのですが、経営者や組織長は現場の仕事が見えることが重要です。ビジネスは、現場の仕事の一つ一つが集まって成立しているのですから、それが見えない状態での成功は難しいのです。これは、一代で会社を築いた社長はよく理解していますが、大企業に入ってから出世した若者では理解していない人が多く居ます。このことは良く理解しておきましょう。
さて、組織変更は目的があって行うものです。新しい商品を開発するのか、業務の効率化をするのか、その目的は様々です。このような目的をもって組織変更をしたのに、必ずしもすべてがうまく行くとは限りません。現場では、うまく行くこともあればうまく行かないこともあるでしょう。ですが、それが結果として表れるには時間がかかります。例えば、新しい商品開発をするのに1年かかるとすれば、結果が1年後にわかることになります。つまり、結果だけを見るのであれば、1年後に初めて失敗に気付くこともあるわけです。それでは、遅すぎます。経営に大きなダメージを与えるでしょう。
ですから、組織変更を行う場合は特に、それぞれの現場の仕事を見えるようにしておきましょう。それには、それぞれの現場に状況をきっちり伝えることができるメンバーを配置するのか、毎月決まった数値レポートをさせるのか、色々な方法があります。いずれの方法でも構わないと思いますので、現場の仕事を見える仕掛けをしておきましょう。会社というのは、複数の部署があったとしても、ただ一つの部署の機能が停滞しただけで全体の動きが止まったりするものです。ですから、組織全体に目配りをして、どこで問題が起きているかを把握できるようにしましょう。

・業務分担を明確に

新しく組織を変更した場合、経営者や組織長にとっては、変更をすればいったん大きな役目は終わりです。ですが、メンバーそれぞれにとってみると、変更された後からが本番です。特に、仕事の中身が多く変わる場合は、どの部署が何を担当するのか、誰が何をやるのかが明確になっていない場合もあります。
もちろん、新しく組織を変更するにあたって、どの部署が何を担当するのか、誰が何をやるのかを事前に定義しておくことは難しいです。また、決めておいたとしても、それが実際にうまく行くとは限りません。ですから、業務分担については、組織変更を行う前にある程度決めておき、そして、組織変更が行われた後に実態を観察して、再度業務分担を定義することも必要になります。組織の実態をよく把握して、臨機応変に対応するようにしましょう。

次回に続きます。