前回に続き、主に企業におけるNo.2について、求められることを書いていきます。今の組織長にとっても、次の組織長にとっても参考になればと思います。今回が最終回です。
・敵が少ない
No.2は、組織長と組織メンバーの間をとりもって仕事をうまく回す、また、場合によっては組織長の代わりをするのですから、当然、多くの人と一緒に仕事することになります。ですから、皆と仕事をするには、敵が少ない方が良いです。
組織長、特に社長に近い経営層ほど、理想を目指すがために異なる意見の人とはぶつかることが多くなります。当然、そのことによって敵も多くなるでしょう。しかし、No.2がそれに合わしていてはいけません。そういった敵とも、組織としては上手につきあっていかないといけないことも多いわけですから、そこをNo.2がサポートするわけです。
No.2は、組織長の真似をして組織長の敵を敵視するのでなく、自分が架け橋をするくらいの思いが良いでしょう。また、組織長も、No.2が敵と上手くやっていたとしても、ヤキモチを焼いたりせずに、うまくフォローしてくれているな、くらいで見ましょう。
・細かい仕事(総務含めた実務まで)ができる
組織の仕事は、組織長が指示を行って、組織メンバーが仕事を実行するのが基本です。しかしながら、どちらの仕事でもなかったり、どちらも苦手な仕事があるのが、現実です。そして、そういうのは、得てして細かい仕事であったりします。新入社員の募集広告を出したり、新しく事務所を構えたり、災害に備えたり、そういった大切なのに守備範囲が不明確な仕事も意外に頻繁にあります。
このような仕事をどちらが/誰がやるかの落としどころは、結構難しいものです。そういった場合は、両者をとりもつことができるNo.2が引き受けて、うまく間をとりもってやらせるか、あるいは自分がやってしまうことで、全体の調和がとれることが多いです。ですから、No.2は、色々な仕事、そして実務に近い細かい仕事も出来ると有利です。
・自分の損得勘定を出さない
No.2は、組織長と組織メンバーの間をとりもって仕事をするのですから、組織長はNo.2が自分の意思をきっちりと実行することを望み、組織メンバーはNo.2が組織長の意思をそのまま伝えているという前提で指示に従う訳です。
ですから、その間に入るNo,2が、自分の利益のために発言したり動いたりすると、両者の信頼を失い、どちらも言うことを聞いてくれなくなります。もしそのような思いが少しでもあると、周りにはすぐに分かってしまいます。
従って、No.2は自分の利益を頭から完全に消して、組織長の思いを正確に組織メンバーに伝える、そのコントロールが出来る人ではないと難しいでしょう。
以上、5回に渡って、組織のNo,2について考察しました。組織全体を動かせるというのは、場合によっては組織長よりも出来る立場かもしれません。チャンスがあれば、是非やってみましょう。