インターネットで変わった消費世界⑨

前回に続き、インターネットビジネスのしくみとその成功要因を、我々にとって身近な一般消費世界の変化について書いていきます。今回も、これまでの世界と消費するものは変わっていないけれどもその環境がかわったものについて、考えていきます。

・ショッピングにおけるレビューの普及

インターネットが普及する前、ショッピングをする前の商品の評価を知ることは難しいものでした。自動車などであれば専門雑誌がありますから、それを読めばある程度のことは分かりますが、このようなもの以外の消費財は情報がほとんどありません。せいぜい、知り合いで知っている人が居るかどうか、といったところでしょうか。
ところが、インターネットによって、その環境は大きく変わります。最初は、掲示板などにより、多くのユーザーが様々な商品についてのレビューを書き込みました。これには、実勢にその商品を使っていないけれども面白がって嘘を書き込んでいる者の情報もありましたが、よく読んだり検証することによって、正しい情報を見出すことが可能でした。
次に、Amazonや楽天市場などのネットショップサイトの登場によって、商品のレビューが正確にわかるようになりました。つまり、インターネットで実際にその商品を買った人は、そのネットショップサイトの記録から分かりますから、レビュー情報の正確さが担保されるようになったのです。また、そのレビューが役に立ったのか、そのレビューをした人の評価は全体的にどうなのかなど、しくみもかなり精巧になっていきました。このことにより、インターネットショッピングする際には、かなり正確なレビュー情報を我々は得ることが出来るようになったのです。
インターネットショッピングにおいては、ネット上の店舗の信頼性はどうなのか、事前に見ることが出来ない商品はどのようなものなのか、不良があれば交換してくれるのかなど、不安が多く有ります。通常の実店舗でのショッピングよりも大きなリスクがあるわけです。これに対して、ネット店舗や商品のレビューは、インターネットショッピングを大きく後押ししました。というよりも、実店舗で買いに行くよりも、インターネットショッピングの方が良い店舗で良い商品をより安く買う確率が高くなる場合もあり、多くのユーザーが利用するようになりました。
このように、インターネットが得意とする情報において、ショッピングに役立つ情報を提供することにより、消費の在り方が大きく変わったのです。

以上、複数回にわたって、インターネットで変わった消費世界について考察してきました。このように過去の歴史を考察し、今後発生する新しい世界を予測していくというのが、変化の激しい時代を生きる私たちにとって大切なことかもしれません。