インターネットで変わった消費世界⑧

前回に続き、インターネットビジネスのしくみとその成功要因を、我々にとって身近な一般消費世界の変化について書いていきます。今回も、これまでの世界と消費するものは変わっていないけれどもその環境がかわったものについて、考えていきます。

・ショッピングにあたっての広い情報

これまでの店頭でのショッピングからインターネットショッピングで大きく変わったのは、消費者が自ら店頭に出向いて商品を探すことから、パソコンやスマートフォンの画面上で商品を検索することに変わった点でしょう。
このことにより、消費者は膨大な商品の情報を手に入れることになりました。消費者が自ら店頭に赴く場合であれば、都会であれば1日に数店舗がせいぜいでしょうし、田舎であれば1日に1店舗しか訪れることしかできないかもしれません。消費者が得られるデータ量は、物理的に訪問できる店頭に置いてある商品に限られていたわけです。もちろん、テレビショッピングや新聞・雑誌による広告も従来からありましたが、それも、限られたプッシュ型の情報でした。
それが、インターネット上で世界中の多くの商品を瞬時に検索できるようになりました。これには大きく2つのメリットがあります。1つは色々な種類の商品を見つけることができるようになったこと、そして、もう1つは同じ商品であっても購入条件を比較できるようになったことです。
前者の、世界中の多くの商品を検索できるようになったことは、私たちの暮らしをかなり向上させたと思います。例えば、世の中に財布は数多く販売されていますが、自分に合った財布というのはなかなか見つかりにくいものです。色、形、素材、機能、値段、など、どこかが違うのでしっくりこないことが殆んどです。ところが、インターネットで財布を検索すると、国内外を問わずに、数えきれないほどの財布を見ることができます。その中から、ショッピングサイトを含めてキーワードなどで検索して絞り込むことによって、自分が欲しいものに最も近い財布を世界の財布から検索することができるのです。インターネットが無い時代では、巡り合うことがなかったであろう商品を、私たちは見つけることが出来るようになりました。
それは、逆に言うと、商品を出品する側にも大きく影響します。人目をひかない商品であれば、これまで以上に売れることはありません。ですが、誰かが欲しいと思う商品を作ったり扱っていれば、それは、いつかその人に伝わる可能性が高いのです。これは、その商品を本当に良いと信じている作者や店舗によっては、心の支えになるでしょう。インターネットは、世界中の人同士をつなげるだけではなく、世界中の人と商品をつなげることにもなったのです。

次回に続きます。